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「悪声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
大敗し、それより大いに感情を悪くし、すでに復社したる社二、三あり。君子交り絶えて悪声を放たずと言うに、自己の些細な給料を増さんとて、昨日まで奉祀して衣食の恩を受....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
けて新手村の悪口祭りといい、宵の頃よりはじめて、除夜の鐘の鳴りそめる時まで、奇声悪声の絶え間がない。 ある年の晦日には、千曲川の河童までが見物に来たというが、....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
迫の手紙を毎日のように送った。それのみで倦き足りないで、各方面に向けて庄司署長の悪声を放った。監督官庁へは毎日庄司署長を免職させろと云うはがきが飛び込んだ。 ....
獏鸚」より 著者:海野十三
た。 本当のことを云えば――これは会社の大秘密であるけれども……、桐花カスミの悪声について一つのカラクリが行われているのだった。トーキー時代が来ると、桐花カス....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
を殺し食膳に上せる鬼どもである。今日から顧れば、殆ど正気の沙汰とは受取れぬような悪声が、彼等の上に放たれたのであった。が、これは独り当時に限られたことではない。....
録音集」より 著者:豊島与志雄
される。 そしてこの音声については、男性は別として、女性にあっては、美婦は多く悪声であり、醜婦は多く美声であって、顔の美と音声の美とはほぼ反比をなす。記録をと....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
を悲憤して、正法を立てて国を安らかにし、民を救うの道を獅子吼した。たちまちにして悪声が起こり、瓦石の雨が降った。群衆はしかしあやしみつつ、ののしりつつもひきつけ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
有様であるからやむを得ず拒絶すると、それらの人々の中には不人情だとか守銭奴だとか悪声を放つ者もあった。 もう一つ忘れることの出来ないのは、友人某氏が手許に遊ん....
南国太平記」より 著者:直木三十五
。 「黒赤色」 黒赤い、凄さを含んだ火焔が、ぱっと立っていた。 「声は?」 「悪声《あくじょう》」 それは、焔の音を判じるのであった。 煙と、異臭とが、....
決闘」より 著者:神西清
奴さ。よく聴いてくれよ、一体この世の中では騙児仲間よりはむしろ自由職業者のほうが悪声を蒙る度数が多いね。それは社会の四分の三が奴隷ども――つまりああいった猿の手....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
などに対して随分困らせられた。然し彼女は私を信じ切り、私は彼女をむしろ崇拝した。悪声が四辺に満ちるほど、私達はますます強く結ばれた。私は自分の中にある不純の分子....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
人も沢山あった。その人らは好んで余らの不謹慎を責めた。 居士逝去後居士に対して悪声を放つ人はあまりなかった。ただ一人あった。 余と碧梧桐君とは居士の意を酌ん....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
い声(ということはたびたび繰り返すところだが、寄席音曲、第一の最大条件としてよき悪声でなければならぬから)で、そのくせべら棒に名人がっていかにも巧かろうといりも....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
受持つに過ぎなかったということが、土地の贔屓連の感情を傷つけ、それに対して何かと悪声を放ったのが自然一般の人気にも影響したためであるという。 実際、興行者とし....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
最初《はじめ》黒沢商店の角で五拾銭銀貨を恵んだのが却て悪い例となり、恵まれぬ時は悪声を放つので、人だかりのするのが厭《いや》さにまた五拾銭やるようになってしまう....