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悪天候
「悪天候〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪天候の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
している理由がよくわかって来る。野蛮人は磁石なしに方角を知り、バロメーターなしに
悪天候を前知する。又は敵の逃げた方向を察し獲物の潜伏所を直覚するなぞ、その第六感....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
とが一つある。それは、日本航空輸送会社の旅客飛行機|白鳩号というのが九州の上空で
悪天候のために針路を失して山中に迷い込み、どうしたわけか、機体が空中で分解してば....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
に起きたついでに、明り取りの窓から暁の空を透かしてみると、憎らしいほど霽れ渡った
悪天候である。 これでは今日も、日本空軍のはげしい爆撃があるだろうと思って憂鬱....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
も不運なサウス・クリパー機であった。兇悪な共産党員に乗りこまれている上、いままた
悪天候に追いかけられることとなった。艇長は、乗員の安全をはかるため、いままで目的....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
ない。すべての事件が非常に表面的になめらかに扱われている。まるで春、草が芽ばえて
悪天候に害されもせずのびていくような筆致で歴史が書かれている。 軍国主義精神を....
「燃ゆる頬」より 著者:堀辰雄
》らせた。私たちは漸《ようや》く打解けだした。私たちは私たちの不機嫌を、旅先きで
悪天候ばかりを気にしているせいにしようとした。そしてしまいに私は、明日汽車の出る....
「源氏物語」より 著者:紫式部
へいはく》を神にささげて祈るほかがなかった。 「住吉《すみよし》の神、この付近の
悪天候をお鎮《しず》めください。真実|垂跡《すいじゃく》の神でおいでになるのでし....
「源氏物語」より 著者:紫式部
の父君の前へ出て、三条の宮から御所へ出勤することを規則正しくしている人で、こんな
悪天候の中へ身を呈するようなお見舞いなども苦労とせずにした。宮様は中将が来たので....
「源氏物語」より 著者:紫式部
、一晩じゅう雪に吹き迷わされになりながらここへ宮はお着きになったのである。こんな
悪天候をものともあそばさなかった御訪問であったから、恨めしさも紛らされていっても....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
デン屋でビールとツマミモノを買って、アパートで酒宴をひらいた。 連日雨もよいの
悪天候で、女たちはアブレがちであった。 新宿から飲みつゞけで、エンゼルは酔っぱ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
で手がたく構えていたとしても、前日より用意しなければならぬパンの原料が、次の日の
悪天候で処分し尽せぬということは時に免れぬものである。この場合これをいかにすべき....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ら、そう思ってろよ」と、セルゲイはカテリーナ・リヴォーヴナに捨てぜりふを言った。
悪天候のもとの強行軍にへとへとになって、カテリーナ・リヴォーヴナは次の営舎の板ど....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
はなかった。軍隊は、病気と脱走とでいよいよ兵力を弱め、憂うべき状態に陥っている。
悪天候が軍の活動を困難ならしめている。そしてダブリンの陣中会議は、再び、断々乎と....
「妻」より 著者:神西清
壁を破って一夜のうちに納屋のライ麦を二十俵も引いては行くし、それに人の話や新聞や
悪天候が裏書きする一般の重苦しい空気――すべてそうしたものに煩わされて、私は仕事....
「三国志」より 著者:吉川英治
らめかせ、二十里外の彼方に黒々と見える臥牛のような山岳のあたりは、味方を悩ませた
悪天候も嘘ごとのように、大気と月光の下に横たわっていた。 「いや、ある、ある」 ....