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悪太郎
「悪太郎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪太郎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
判長は、弁護士の弁論をききながら、自分の少年時代を回想していました。すると友達の
悪太郎に使嗾《しそう》せられて、隣村の林檎畑《りんごばたけ》へ夜襲《ナイトレーデ....
「相撲」より 著者:寺田寅彦
まっていたが、しかし小学校生徒の仲間にはどこかこのシバテンの風格を備えた自然児の
悪太郎はたくさんにいて、校庭や道ばたの草原などでよく相撲をとっていた。そうして着....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
て、裏の家へ積み込んであったので、紛失したものも少なくなかった。近所の路次うちの
悪太郎どもが、古|板塀を破って庭から闖入し、手当たり次第持ち出して行ったらしい形....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
居る。本当の畑水練である。農としては出水を憂うべきだが、遊び好きなる事に於て村の
悪太郎等に劣るまじい彼は、畑を流るゝ濁水の音|颯々として松風の如く心耳一爽の快を....
「先生の眼玉に」より 著者:香倶土三鳥
な」 と尋ねました。 「先生の眼玉にすり込んでやる」 と最前からだまっていた
悪太郎が答えました。 お爺さんは急に怖い顔になって、 「よしよし。のぞみ通りに....
「田丸先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
ずはなかった。しかし茶目気分|横溢していてむつかしい学科はなんでもきらいだという
悪太郎どもにとっては、先生の勤勉と、正確というよりも先生の教える学問のむつかしさ....
「物売りの声」より 著者:寺田寅彦
この山男の身辺にはなんとなく一種神秘の雰囲気が揺曳しているように思われて、当時の
悪太郎どもも容易には接近し得なかったようである。自分もこの老いさらぼえた山人に何....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
みさんたちも、おのずから同情の眼を以て見るようになったものと見えます。 しかし
悪太郎どもは
悪太郎どもで、 「やい、跛足《びっこ》が来た、あれ見ろ、跛足のチビが....
「埋もれた漱石伝記資料」より 著者:寺田寅彦
えていないが、ただその手紙の全体としての印象は、先生が手のつけられない悪戯っ児の
悪太郎であったということであった。 事実はとにかく幼時における夏目先生が当時の....
「夏」より 著者:寺田寅彦
が起ったかを見るために、隠れ家の奥から戸口に匍いだしてくる。それを待構えた残忍な
悪太郎は、蚊帳の切れで作った小さな玉網でたちまちこれを俘虜にする。そうして朝の光....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
のはありません。エリーザはまたしごとをつづけながらお祈をしました。そとでは、町の
悪太郎どもが、わるくちの歌をうたっていました。たれひとりだって、やさしいことばを....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
った。髪は茶筅髪、つまりフンドシカツギのマゲだ、腰の太刀にはシメ縄がまいてある、
悪太郎が川の釣から帰ってきたような姿で現れ、仏前へズカズカとすゝんで、クワッと抹....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
思いだしたことはない。彼は弱虫で、馬鹿正直で、そのくせ、すこし、ずるかった。彼は
悪太郎にそゝのかされて、手先に使われるたびに、いつも捕えられて、叱りとばされるの....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
でて一服いたすことにしよう」 「大先生まで。ヤ、これは、ありがたい」 御家人の
悪太郎ども、大いによろこんだ。諸方にゲキをとばし無心を吹っかけ、金をあつめて、江....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
あとを追って何かからかったりしているのを、彼は別に煩さいとも感じていないらしく、
悪太郎どもが時々に投げつける小石のいたずらに対しても、彼はいつでも笑顔を以って応....