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悪感情
「悪感情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪感情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
した時に陽子が章三に見せた高慢な表情のせいだった。陽子の眉はひそめられたのだ。好
悪感情のはっきりしている陽子は、章三のような男のタイプには好感が持てなかった。章....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
た……何もかも最後に近づいた……悪口の矢をたてられ……誹謗の疵痕《きずあと》……
悪感情の悪戯《いたずら》……侮辱と意地悪……譏誚《きしょう》……嘲笑と挑戦……嫉....
「惜別」より 著者:太宰治
を賭して、北方の強大国と戦争のまっさいちゅうだ。もし、清国政府が日本政府に対して
悪感情を抱き、現在の好意的な中立の態度を放擲して逆に露西亜に傾いて行ったら、どう....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
落ち、彼を稀代の色魔と呼ぶ者、また稀代の喰わせ者と呼ぶ者が現れるかと思うと、更に
悪感情は若き未亡人お妙の上に、また更に日頃人気の高かった帯刀の上にまで伸びていっ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
そのいるところがないなら、家で世話をしてやってくれないか。僕は足下の秋水に対する
悪感情はよく知っている。しかし、この際これほどの雅量はあってほしい。また、かくの....
「やどなし犬」より 著者:鈴木三重吉
れていくので、恐水病のおそれよりもまえに、じつにひどいことをすると言って、警察へ
悪感情をいだくものがずいぶんいました。 或日、そのほろ馬車の一つが、びっこの馬....
「無毛談」より 著者:坂口安吾
云わずには、いられぬであろう。妹の世間知らずは、度しがたい。 おトンちゃんへの
悪感情を私は一度に失っていた。 私の頭がハゲていると分ってのちのサンタンたる思....
「中庸」より 著者:坂口安吾
か。男の先生の抽出しから見つけてきたのよ。あなたたばこ持ってる?」 余は彼女に
悪感情を覚えなかった。なるほど世評の如くにお行儀はよろしくないが、ざっくばらんで....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
べたが、それはほとんど科学的には無価値なものであった。要するにこの演説会は純粋な
悪感情の表現に終ってしまった。気の永いアインシュタインもかなり不愉快を感じたと見....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
キゲンなのは一也であった。花田が一也に対してそうであるように、一也も花田に対して
悪感情をいだいているらしい。彼は姉を悪魔にさらわれ、そのイケニエに供されたように....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
立ち上りながら、言い続けた。「そのために、私が勘定を持って、私たちがどちら側とも
悪感情なしでお別れすることは、差支えがないようにしたいものですね。」 カートン....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
けの変化が起った。 継母は継母らしく振舞ったのである。鶴見はそう思って、別段に
悪感情も懐かずにじっとしていた。 宿命的孤独と自由 まだ中学に入らぬ少し前....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
かった。 しかし甚吉は亀屋のお園のことや、又それに就いて、このごろかの伊兵衛に
悪感情を抱いている事などは、すべて正直に申立てたが、伊兵衛を殺害した事件について....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
が逢ったのである、事々に折合わなかったのは当然で、為めにナポレオンの露国に対する
悪感情は倍加した。 このナポレオンの心情を洞察して、ナポレオンを駆って、露国征....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
言するに憚らない。
かくのごとくチベット国民は戦争以来一般に英国に対して非常な
悪感情を懐いて居るのみならず、チベットで名高い学徳兼備の高僧センチェン・ドルジェ....