悪戯者[語句情報] »
悪戯者
「悪戯者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪戯者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
、綿のはみ出た蒲団《ふとん》を柏《かしわ》に着てぐっすり寝込んでいた。仁右衛門は
悪戯者《いたずらもの》らしくよろけながら近寄ってわっといって乗りかかるように妻を....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
り「叔父さん誰かが貴方を欺いて誘き寄せたのですよ、跡方も無い事です、併し此の様な
悪戯者が有っては不安心です、貴方は直ぐに宿屋へお出なさい、私は直ぐに電信局へ行き....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》じ登っているところを見付けた者があった。 「権の野郎に相違ない」 人騒がせの
悪戯者は権太郎に決められてしまった。権太郎は今年十四で、町内でも評判のいたずら小....
「赤外線男」より 著者:海野十三
、四角い封筒がパラリと床の上に落ちたのを、学士は気付かなかった。 ダリアの眼は
悪戯者らしく爛々と輝いた。太い腕が、その封筒の方へニューッと延びていった。 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
的な性能を、すこぶる豊富に認めることが出来るのだよ。ところで、その厳粛な顔をした
悪戯者が、だいたいどういう具合に人間神経の排列を変形させてゆくものだろうか、ここ....
「惜別」より 著者:太宰治
うな気がする。そうして彼の、かねてからの文芸愛好の情に油をそそいで燃えあがらせた
悪戯者として、あの一枚の幻燈の画片を云々するよりは、むしろ、日本の当時の青年たち....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
親しそうに妙な人は尋ねたが、その声はちょうど岩を走る清水のように清らかであった。
悪戯者の牛丸もにわかに態度を改めたが、 「
悪戯者の牛丸とは私のことでございます」....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
ャコフの方が、かえってふうっと溜息をついた。 涯なき漂流 不連続線という
悪戯者がなかったら、二人のうちのどっちかは、間もなく日本海を航行中の汽船のうえに....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
かな、気高い、可懐しいものであったから、南無三仕損じたか、逃後れて間拍子を失った
悪戯者。此奴羽搏をしない雁だ、と高を括って図々しや。 「ええ、そっちを引張んねえ....
「倫敦の一夜」より 著者:岡本綺堂
吹く者がある。しかもその喇叭を人の耳のそばで不意に吹き立てて大勢を嚇かしてあるく
悪戯者もある。 もう一つ、これらの
悪戯者に脅かされたのは彼のタキシーである。タ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ぼわかった! もう心配をする必要はない。黙って放抛っておくんだね。そのうちに僕が
悪戯者の沙漠の霊を捉らまえてやる」 しかし博士のマハラヤナは印度人の常として迷....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
白しない。だんだん調べてみると、まったく彼の仕業ではなく、そのほかにも同じような
悪戯者があるらしいのです。その証拠には、佐倉の拘留中にも往来の婦人にむかって、や....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
てホッと溜息をついた。 私達二人でさえ、もち扱っているのだ、こんな天使のような
悪戯者が飛び込んで来て、どうすることが出来ると云うのだ。 二人はいろいろ相談し....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
さ それでも運よく無事に逃げ負せたそうですな。 善助 むむ。あの小僧はふだんから
悪戯者だけに、持っている松明を叩きつけて、一生懸命に逃げ出してあぶない所を助かっ....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
面倒になったと聞きました。この手紙はもちろん誰かの悪戯にすぎますまい。しかもその
悪戯者がはたして誰であるにしましても、ともかく世間には今もって、本当にそんなこと....