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悪手
「悪手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪手の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
。彼女は要するに頭のいい婦人の通弊として主義理想に走り過ぎたために、このような奸
悪手段の手先に利用せられて、売国行為をさせらるるに至ったもので、決して彼女を悪人....
「碁の手直り表」より 著者:菊池寛
棋も麻雀も下手だった。将棋などは、一寸気の利いた手を指すかと思うと、とんでもない
悪手をさした。やりっぱなしの放漫な将棋である。碁もそうした所もあったが、専心研究....
「将棋の鬼」より 著者:坂口安吾
ないか、などゝ微酔のうちは私にブツブツ云っていたが、そのうちに泥酔すると、名手が
悪手になる、なに阿呆云うとる、阿呆云うて将棋させへん、木村など、なんぼでも負かし....
「俗物性と作家」より 著者:坂口安吾
知的な、存分に思考の時間を費している碁や将棋でも、存分に考えたあげくあべこべに大
悪手をやらかすようなこととなる。これを外部条件というのである。 ドストエフスキ....
「呉清源」より 著者:坂口安吾
の午前中まで、まだ、そうだったが、呉氏はあくまで勝負をすてず、本因坊がジリジリと
悪手をうって、最後の数時間のうちに、自滅してしまったのである。 もとより、勝負....
「桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
すぎていたのである。 木戸は座につくといきなり四五桂とはねた。ところが、これが
悪手だったのである。彼の見落した妙手があったのだ。若輩に一時間四五十分も座を外さ....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
たのである。 坂田の名文句として伝わる言葉に「銀が泣いている」というのがある。
悪手として妙な所へ打たれた銀という駒銀が、進むに進めず、引くに引かれず、ああ悪い....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ったかもしれぬ」 それから、その男は、この諏訪塩尻あたりの往還で、旅客が人足の
悪手段にのって路銀をせしめられる屡※の実例を幾つも挙げて、 「わたる世間も同じ事....