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「悪疾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪疾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
な娼婦の一人が、肉体的に、また精神的に、ジャックの一生をめちゃくちゃにしたのだ。悪疾に侵されたかれの頭脳において、一人の罪は全般が背負うべきものという不当の論理....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
なり若いようでもあったが、たぶん四十五、六らしかった。よれよれする筋肉|痙攣と、悪疾のため舌の絡む語調とが、可哀そうな彼の努力のすべてを裏切って、親愛なリンピイ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
はない。子の体格のいいのは、親の譲りものというのも無理はないし、悪いのになると、悪疾の遺伝、悪癖の遺伝までも肯定されるが、跛足が遺伝するということは、あまり聞か....
丹下左膳」より 著者:林不忘
《もろおか》一|羽《う》という上手《じょうず》あり、常陸《ひたち》えど崎に住んで悪疾を病み、根岸|兎角《とかく》、岩間小熊、土子泥之助なる三人の高弟が看病をして....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ようにとしか云いようがなかった。それにどういう生活があるのか分らないから、性的な悪疾についてはよくよく注意するようにと話したら、これは大変達ちゃんも思いがけない....
花ふぶき」より 著者:豊島与志雄
千代の薄野呂は、脳膜炎の結果かとも見えるし、遺伝梅毒のそれかとも見えるし、其他の悪疾のそれかとも見える。嘉代さんの注意で、彼女はそう不潔ではなく、臙脂色系統の衣....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
して悋気深しと言うか。尚お是れにても直に離縁の理由とするに足らず。第五癩病の如き悪疾あれば去ると言う。無稽の甚しきものなり。癩病は伝染性にして神ならぬ身に時とし....
鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
」 それと見てとったお篠は、縋り付こうとした。 しかし、納谷雄之進は、自分の悪疾を、愛する妻へ移すまいとしてか、そろりと外して、じっとお篠を見下ろした。盲い....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
神病に陥る者は、大部分何等かの意味でその素質を先天的に持っているか、又は怪我とか悪疾とかによって後天的に持たせられた者であるという事である。彼女の家系には精神病....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
とはKの不道徳だと云って、Kを非難し始めたのであった。「小田のようなのは、つまり悪疾患者見たいなもので、それもある篤志な医師などに取っては多少の興味ある活物であ....
印象」より 著者:小酒井不木
讐しようと決心したならば、貞操を破ったり、只今の御話のように、自分の身体をわざと悪疾の犠牲にするくらいのことは、たとえ、中流や上流の婦人でも、決して為かねないも....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
でたまたま往年の宝塚スターに呼びかけられたが、老残衰貌、今も女優をしていながらも悪疾あるエキストラの夫をかかえて見るかげもなく、私は目をそらすのに骨を折った。少....
血の盃」より 著者:小酒井不木
さ子に対してさほど深い同情の心を抱かれないであろうが、あさ子の失明が、実は良雄の悪疾に感染しての結果であると知られたならば、諸君は定めし、あさ子を捨てた良雄をに....
百花園」より 著者:永井荷風
は、恰も七十の老翁を捉えて生命保険の加入契約を勧告し、或はまた玉の井の女に向って悪疾の有無を問うにもひとしく、あまりにばかばかし過る事である。是亦車中百花園行を....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
であったなどという説も出て来る。むかしのエタや夙仲間の伝説にも、ある高貴の姫宮が悪疾の為に宮中にいることが出来ず、何の何某がお伴して僻遠の地に隠し奉るうちに、渡....