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悪癖
「悪癖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪癖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
彼はその必要品を粗略《そりゃく》にするほど、東洋|豪傑風《ごうけつふう》の美点も
悪癖《あくへき》も受けていない。今の流行語でいうと、彼は西国立志編の感化を受けた....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
の今までの行動から、彼の道徳性を調べて見る気になった。青木は一体盗みをするという
悪癖を持っているのだろうかと考えた。すると、雄吉の心にふと、一月前の青木に関した....
「世相」より 著者:織田作之助
た。女が上京すればますます淪落の淵に沈んで行くに違いないと思ったのと、救いがたい
悪癖を持っているのに同情したのとで、何とかしてこれを救おうという心情を起し、物質....
「地獄街道」より 著者:海野十三
彼は私を事件にひっぱりだしては、頭脳の働きについて挑戦するのを好んだ。それは彼の
悪癖だと気にかけまいとするが、時には何か深い企みでもあるのではないかと思うことさ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
めたりするような人であっては、殆ど何事も為し得ない。そうした場合には、右の人物の
悪癖の矯正に手間どれて、剰すところが幾何もないことになる。くどいようだが、われ等....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
」 僕は挑戦的に話しかけた。(この勇気に乏しい癖に忽ち挑戦的態度をとるのは僕の
悪癖の一つだった)すると彼は微笑しながら、「どこ、君の部屋は?」と尋ね返した。 ....
「青春論」より 著者:坂口安吾
ると、役人根性を発揮し、権力に便乗して仕様のない結果になるのである。 僕は甚だ
悪癖があって、電車の中へ婆さんなどがヨタヨタ乗込んでくると、席を譲らないといけな....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
る同行者が必要だが、この社の年寄りは酔っ払うと分別に欠けるところがあり勇みに勇む
悪癖もあって、全然荷物になるだけだ。しかし、年寄に分別がないと、若い者に分別がつ....
「博物誌」より 著者:岸田国士
軍刀を吊している。 憲兵として立派な働きをするような人間には、必ずまたいろんな
悪癖があるものだが、打明けたところ、ばったは噛み煙草をやるのである。 嘘だと思....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
し、万事こうしたことは、カン一つだからね」 それが、ジェソップ氏の持つ、最大の
悪癖だった。賭けたがること、相場が好き、ボロ株が好き、おまけに、角力が好きで光風....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ているのか私などには分らないが、塚であることだけは確かなようだ。そして、例の私の
悪癖たるタンテイ眼によると(学者の鑑定眼とちがって私のは探偵眼だからなさけない)....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
いけませんぜ」 ということをまア五六ぺんはコンコンと訓戒をうけた。よほど我流の
悪癖を身につけ易い人物と見立てたらしい。 一しょにゴルフ場へでかけようと計画を....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
は、つまり自分の頭でものを考えないということであります。これは日本人の持っている
悪癖――つまり悪い癖でありまして、すぐ他人の頭でものを考えたがる。俗に「鰯の頭も....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
る前に香り高い珈琲を飲まなければ(飲めばの――誤植ではない)眠れないという厄介な
悪癖の持主がいる。飲む方も催眠剤に珈琲を使用するようでは、全く憂鬱だろうが、そん....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
手段を応用する感化院や監獄を設置し、あたかも病人に対する医者の態度で渠らの犯罪や
悪癖に対する対症療法を研究するが社会政策上最も急務である。これまでのいわゆる哲学....