悪罵[語句情報] » 悪罵

「悪罵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪罵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
口から聞かして貰い度いのは姉娘の福慈岳の女神の批評だった。翁はそれを聞いて、もし悪罵《あくば》の声でも放って呉れるなら不思議に牽かれる娘の女神への恋々の情を薄め....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
蹴った。 「ウーム」 と彼が呻きながら、その場に悶絶した。 「ああ、それ以上の悪罵に妾が堪えられると思っているのかい。約束の五分間以上|喋らせるような甘い妾で....
自叙伝」より 著者:大杉栄
上弥生子君を訪い、そしてらいちょうにはハガキを出した。が、その後この二人の友人が悪罵に等しい批評を彼女の行為の上に加えているのを見て、彼女もまったくその友情を棄....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
めであった。 漂泊の旅は長かった。 到る所で迫害された。 山男! こういう悪罵を投げつけられた。 長い漂泊の間には、死ぬ者もあれば逃げるものもあった。し....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
こまでやってこい。甘酒進上だ。ベカンコー」 「コーラ、此の無礼者奴。警察と知って悪罵をするとは、捨てて置けぬ。うぬ、今に後悔するなッ」 警官は本気に怒ってしま....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
う運命を持っているのでした。そうした犬を両親にしてパトラッシュは生れました。彼は悪罵と鞭とに育てられ一疋前の犬となる前にすでに荷車を挽く擦傷のいたさと、頸環の苦....
頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
方不明になって首も身体《からだ》もどこへ行ったかしらん―― 彼等は社会の冷笑、悪罵、迫害、陥穽の中に一生を過し、現在彼等の墓場は早くも忘却され、次第々々に地な....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
とお浦と典膳とを仕止めろ!」 こう五郎蔵が叫んだ時には、長脇差しを抜いていた。悪罵と怒号とが林を揺すり、乾児たちの抜いた、二十数本の脇差しが、湾に寄せた怒濤が....
文学的饒舌」より 著者:織田作之助
を強くすることもある。僕は処女作以来今日まで、つねにたたかれて来た。つねに一言の悪罵を以て片づけられて来た。僕の作品はバイキンのようにきらわれた。僕は僕の作品の....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
いている一団が三階席にいた。三階席の中央部にいた男女一団の学生達である。私は冷評悪罵にあつまる廊下の見物人をぬけて三階席に上って行った。みんな緊張して見ている。....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
本は古えの「倭奴国」なりなどと云っている。そして後世に至るまでも、支那人が邦人を悪罵する場合には、よく「倭奴」の語を以てする例にまでなった。しかしながら、倭奴国....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
っているとき、いかにも悲しく退屈そうな顔をして居り、軒昂として自分を立て、周囲を悪罵するときにどんなに満足と親しさを彼の表情の下に隠しているか見れば判る。誰も気....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
口にすることを恥ずる暴言と態度の賤鄙と(いや、それよりも下俗な覆面の残虐と私情の悪罵と)あの卑劣とは何事であろう。あの狭隘さは、あの某々雑誌の喧々囂々はいったい....
旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
篤胤の「出定笑語」の類に至っては、口を極めてそのエタの子なることを吹聴し、これを悪罵しているのである。これ果して何に基づいたものであろう。 日蓮がエタの子であ....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
通されるならば、試験管中に一層の命が加わり、栄養料理は美味くないなどという今日の悪罵はおのずと雲散霧消し、日本人の健康増進にと寄与することは疑うべくもない。 ....