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悪習
「悪習〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪習の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
)元気を出せ! いのちがけの……死ぬの……そんな奴があるか! 気質沢猛保。」 「
悪習は除去すべきである。本郷区千駄木町五十、吉田潔。」 月日。 「言わなければ....
「さようなら」より 著者:田中英光
れる日本人。(御跡したいて我はゆくなり)南方の蛮人でさえいまは軽蔑している殉死の
悪習を、つい最近、明治の末期まで、否、太平洋戦争中にも美徳と信じていた日本人。赤....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
て、代金を唯一目的にする……すなわち余りに商品的に彫刻物を取り扱い過ぎるところの
悪習ともいえましょう。 それに引き代え、江戸は八百万石のお膝下、金銀座の諸役人....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
。ただ、いやらしい思い出です。呻くばかりの慚愧です。惰性の官能です。わしは、その
悪習慣をもてあましました。いまだって、なおその処理にくるしんで居ります。レヤチー....
「野狐」より 著者:田中英光
わたし、なんにもいらない」と答えた女なのだろうか。 一カ月の社交喫茶勤めという
悪習が、桂子を急速に堕落させたのだろうか。イヤ、元来彼女はそうした虚栄心の芽のあ....
「読書法」より 著者:戸坂潤
が、広告文を自分で書くことによって、例えば無意味で陰険な謙遜という東洋的な著者の
悪習も、自然矯正されるだろう。之は自他を公正卒直に評価する風習に貢献するだろう。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ぬ。彼は到底清純無垢の境地に安住し得ない。彼の望むところは、お馴染の魔窟であり、
悪習慣である。友は友を呼び、類は類を以て集まるのであるから、施す術がないのである....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
の衰えている時に、もう一度あの変身薬を調合して飲んだのである。 大酒家が自分の
悪習について自分で理屈をつけるとき、彼がその獣のような肉体的無感覚のためにおかす....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、文学の大家や謹厳な批評家などがあった。通俗で旧教的なある家庭詩人は、ギリシャの
悪習のごく細密な描写に、芸術家としての祝福をささげていた。ローマ、アレキサンドリ....
「敬語論」より 著者:坂口安吾
やっぱり根本の問題は言葉の方にあるのではない。 女房をお前とよぶのは男尊女卑の
悪習だというが、例がフランスの「お前よび」にある通り必ずしも男尊ではなく親密の表....
「マルコポロから」より 著者:寺田寅彦
すれば、これはいくらかカラザン人の遣り口に共通なところがありはしまいか。 この
悪習は忽必烈が厳禁してやっと止まったとある。 この地方の人は始終毒を携帯して歩....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
か誇るに足るものがある。従来の菓子職人、特に日本菓子の人々は徳川時代よりの一種の
悪習慣に禍いされて、半ば遊び半ば働くというふうであるから、彼ら一人の製造能率は一....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
したのが今より三十年前であります。さて菓子職人を雇入れて見ますと、以上申せし如き
悪習慣がきわめて多いので何とか改良すべきだと考えまして、当時東京で第一流店主人に....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
の時間につい計算に気をとられて姿勢がわるくなつた。一軍の将たらんとするもの、この
悪習を一日も早く脱せねばならぬ、という風なのはまだ罪のないところだが、――余は本....
「翻訳の生理・心理」より 著者:神西清
と形式とか、感情や思想とその表現とか、元来一である筈《はず》のものを別々に考える
悪習を生ずる」と言うのであった。 これは飜訳という不自然な労働が、人間の思考に....