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「悪血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪血の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻覚記」より 著者:豊島与志雄
。四里ほどはなれた或る町に、肺病に特効の秘薬があって、その薬をのめば、体内の病毒悪血を忽ちに排出してしまうのだ。然し父は、その薬の服用を承諾しない。母と私とは、....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
フをとぎはじめた。砥石とナイフは彼の座右の必需品。自分で指や頭のあたりを斬って、悪血をとるのである。 「田所を犯人と見た目に狂いがあるとは、まことに心外千万です....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
とぎ終ると、ナイフを逆手にもって、チョイと後ろ頭をきる。懐紙をとりだして、存分に悪血をしぼりとっている。それがすむと、今度は指をチョイときる。そして存分に悪血を....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ょうよ。では、さよなら」 ★ 虎之介の話をきき終った海舟、悪血をとりつつ黙々たること半時間あまり。朝食がすんで間もないらしく、虎之介の前に....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
冒険奇譚には甚しく驚いた様子であった。くわしく話をきき終って、ナイフを逆手に暫時悪血をとっていたが、 「虎や。おキンというのは美人かえ?」 「海女には稀な、十人....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
着き払うと、一そう間が抜けて見えるぜ。珍しい顔だが、長生きはするなア」 海舟は悪血をとりながら、虎之介の面相をひやかしている。ちょッと推理になやんだせいだが、....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
之介の話をきき終り、海舟は悠々自在、無我の境に遊ぶようにナイフを逆手に、後クビの悪血をしぼっていた。心ゆくまでタンネンにしぼりつづけているようだ。そして静かに口....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
んで坐っていた。 海舟は事件の状況をこまかに聞き終って、例の如くナイフを逆手に悪血をしぼっていた。海舟は水野左近にはツキアイがなかったが、旗本の大身であるから....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に海舟の返事がもみだしたいほどムズムズしている。海舟はナイフをとって、例の如くに悪血をとること、今日は実に長い時間だなア。どうも海舟先生も今回だけは窮しているの....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
して云われたのが癪にさわって堪らないからである。 海舟はナイフを逆手に後頭部の悪血をしぼりとり、それを終って、左の小指の尖を斬った。ポタリ、ポタリ、と懐紙にた....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
だし、それに、ぴしりと一叩き食わされてから、また上の方に運ばれて行くと、今度は、悪血がすうっと身体から抜け出るような気がして、恰度それが、夜が明けたと云う感じだ....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
った。そして、詰まらない事が神経をたかぶらせて、いっそ何事か起ってしまえば、この悪血が溜り切った血の管が、空になるだろうなどと思われもするのだった。けれども、そ....
地上」より 著者:島田清次郎
だ。小妻が、哀れな小妻がこの苦しかった人生の最後の名残に滴り流して行った恐ろしい悪血であったのだ! ああ、血であることを認識した瞬間、茂子は、薄明りの冷たい大気....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
があの煙となって渦巻き上っているのだ。むずん! ほっ! 何という太く逞しい自分の悪血の迸りだ。吐け、吐け。 慧鶴は何物とも知れぬ情念に狂える如く酔ってしまった....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
|宜い薬が有る、先達て美惠比丘尼が負傷をする事があろう、其の時に此の膏薬を貼れば悪血が発して眼病が癒るといって、十二枚膏薬を貰って来たが、仏壇の引出へ入れて有る....