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悪達者
「悪達者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪達者の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
う甚平は、すっかり佐々記者の魔術に懸っているらしい。学士は彼の何者にも頓着しない
悪達者な腕前に三歎するより外なかった。 「……すると、沖についた白い汽船は、どこ....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
って此家を出る訳にも往かず、何うかして茂之助が死ねば宜いと思って居るのに、中々|
悪達者で死なゝいのだよ、此間もお腹が甚く痛むと云うから、宜い塩梅だ、コレラに成る....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
てこっち(のみの方)が泣けそうだから大笑いね。ノミは実にいやよ。ちょこまかして、
悪達者で。旦那様に云いつけるぞと云おうが、此奴め、ユリをくう奴があるか、とにらま....
「漫画と科学」より 著者:寺田寅彦
用不器用は必ずしもその方則の価値と比例しないのと一般であろう。 むしろあまりに
悪達者な漫画家の技巧がその内容と反比例を示す場合も少なくないように見える。それは....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
によって百倍も威張り返った罰には、それなくしては百倍もしおれることを見抜いている
悪達者な女二人、口惜しいながら何も言えない正二郎を尻目に、セセラ笑って勝手に自分....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
。美妙に、令嬢|気質《かたぎ》を捨てろとでもいわれたためか、お転婆《てんば》な、
悪達者《わるだっしゃ》だともいわれ、莫蓮女《ばくれんおんな》のようにさえ評判され....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
つかい、節穴に嵌めこんだ種板で欄間に大蛇をうつして見せようなんてえのは、そうとう
悪達者なやつ。……手洗鉢の水にうつった陽の光が、折れ曲って節穴を通り、座敷の欄間....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
化する一方である。私の親戚のあわて者は、私の作品がどの新聞、雑誌を見ても、げす、
悪達者、下品、職人根性、町人魂、俗悪、エロ、発疹チブス、害毒、人間冒涜、軽佻浮薄....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
はする。穢ならしいの、厭らしいのといったらないのだ。淫猥とも俗悪とも、それがその
悪達者なだけにとても見るに堪えない代物なのである。 社日ざくらに十神やま やん....