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「悪食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
れあがり、胸先がちくちく痛むようなことがないでもなかったが、仮にも仲間を組んで、悪食の一つもしようという輩は、そんなことには一向驚かなかった。 こんな遊びをし....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
ぱり判らなくなってしまう。その点、女色を漁る色魔とか、食物を極端に味わうところの悪食家の心にも似ている。 何事によらず素人というものは日本一を要求する。日本一....
南地心中」より 著者:泉鏡花
着けまして、隣家の豆屋の女房立会い、戸を押開いて見ましたれば、いや、はや、何とも悪食がないたいた様子、お望みの猿は血を吐いて斃ち果てておりましたに毛頭相違ござり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、女中さんのうちの乙なのを一つ、かけ合ってみてごらんになっては……あなたほどの悪食《あくじき》ですから、異人の女を食べたって、あたるようなことはございますまい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
どのみち、毛唐《けとう》の食うものだから、人間並みのものを食わせろとは言わねえ、悪食《あくじき》を持って来て、うんと食わせろ」 と神尾は、これから持運ばれようと....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
も耽れて行くという方でした。 食味なども、下町式の粋を好むと同時に、また無茶な悪食、間食家でもありました。 仕事は、昼よりも夜に捗るらしく、徹夜などは殆ど毎....
火の扉」より 著者:岸田国士
、 「もういゝわ、そのお話は……。よくあることだけど、へんよ、すこし、男のひとの悪食趣味つて……。どこまで行くかわからないから、いや、あたし……」 やんわりと....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
を貪食している歯クジラと二種類あって、マッコー鯨という奴は歯クジラの中でも、特に悪食の奴だそうだ。マッコーを捕えると、たいがい目の周囲のあたりに大きな吸盤のあと....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
で、神代の昔からナマコを愛食していたわれわれの祖先というのは、無類の食通なのか、悪食なのか、タンゲイすべからざる祖先である。 いかに強力な暴君といえども臣民に....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
岩魚の相貌には男型と女型の二種あるというが、相俣淵の主は女型に類する方であった。悪食の上に縦横無尽に行動する岩魚は、鋭い歯を持って口は深く割れ、丸い大きな眼に、....
石を食う」より 著者:佐藤垢石
、それは台風がきたとき思い合わせた結果論ではないだろうか。それはとにかく、岩魚は悪食だ。共食いもやる。水を渡る蜥蜴も食う。殊に、鰍は大好物のようである。山村の子....
季節の味」より 著者:佐藤垢石
ある。 日本人の食品材料は、およそ四百種あるそうである。それに、病的といおうか悪食といおうか、いも虫、ヒル、みみずの類を生のまま食う者があるが。これらを加えた....
ザザ虫の佃煮」より 著者:佐藤垢石
いはそうかも知れん、と、あっさり答えて、盃を干すのであった。 昔から、信州人は悪食を好むときいてきた。信州国境の方では、青大将の釜蒸し。蟇の刺身。なめくじの酢....
キド効果」より 著者:海野十三
方へ向って進発したのだった。長時間の夜汽車だったもので、室内は煙草のひどい煙と、悪食乗客の口臭と、もう随分永く女なしでいる若い旅行者たちの何というかオトコ臭い匂....
山椒魚」より 著者:北大路魯山人
ひとつ変ったたべものの話をしよう。 長い間には、ずいぶんいろいろなものを食ったが、いわゆる悪食の中には、そう美味いものはない。 「変ったたべものの中で美味いものは?」 ....