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悲歌
「悲歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悲歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雛妓」より 著者:岡本かの子
しく、子供たち以外は遠慮勝ちにわたくしたちの傍を離れていて呉れて、わたくしたちの
悲歌劇の一所作が滞りなく演じ終るまで待っていて呉れた。そして逸作が水を飲み終えて....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
世になき妻を思うらんようにその心の龕に祭りて、浪子を思うごとにさながら遠き野末の
悲歌を聞くごとく、一種なつかしき哀しみを覚えしなり。 田崎来たり見舞いぬ。武男....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
えに来るものがありません。聖書のなかにも「童子|街に立ちて笛吹けども、人躍らず、
悲歌すれども人和せず」と書いてあります。これは私にとってどんなに淋しいことであっ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
曲はずいぶんよかったわね、ってそ言ってやったわ。ほんとはマスネエの逝く春を惜しむ
悲歌を弾いたんだったけど。皮肉っていや、そりゃ皮肉なのよ、その人は。いつだったか....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ではなく、氷の激流。ここだけは、永遠に越えられまいと思われた。 大地軸孔の
悲歌 「君、ちょっと折り入っての話がある」 隊が立往生をしてから、一か月後のあ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
御歌等と共に、万葉集中の傑作の一つである。また妃|山辺皇女殉死の史実を随伴した一
悲歌として永久に遺されている。因に云うに、山辺皇女は天智天皇の皇女、御母は蘇我|....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、その未来にたいする信頼などを、表現したものだった。第二の曲は、子供の死に関する
悲歌《エレジー》だった。けれど彼は、苦悩の表現における写実的な努力を、嫌悪《けん....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かせるちっぽけな堂守です。彼らが恋愛の二重奏を作ると、まるで深き淵《ふち》よりの
悲歌みたいです……。採用を迫らるる作をみな上演するほど馬鹿な真似《まね》をしたら....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
民へ濫発《らんぱつ》することだのルイ十八世のジャコバン主義だのについて、風向きが
悲歌的であるか慷慨的《こうがいてき》であるかに従って、あるいは嘆声を放ちあるいは....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
だろうと思っていた。ちゃんと詩にもなってる。アンドレ・シェニエの病める若者という
悲歌の末句だ。九十三年の悪……大人物どもから斬首《ざんしゅ》されたアンドレ・シェ....
「ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
楽に亡国の悲劇を読みとる三人の旦那であった。その御三方の登場を合図に唐突と亡国の
悲歌をかなでる、もとよりそこにはさゝの枝主人の指図があるにきまっている。 そこ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
生徒に取っては一方ならぬ動揺で何百人という人が一時に各地に散る事になったので痛飲
悲歌の会合が到る処に催おされた。しかし今の余に取っては前の同級生は最早上級生で、....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
党に同感したろう乎、ドッチの肩を持ったろう? 多恨の詩人肌から亡朝の末路に薤露の
悲歌を手向けたろうが、ツァールの悲惨な運命を哀哭するには余りに深くロマーノフの罪....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
位の研究』中村直勝氏『南朝の研究』など、しかし歌については川田順氏の労作『南朝の
悲歌』正続篇『宗良親王』が傑出した収穫であって、近くは『新葉集』中最古の古写本で....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
いえ! 他は沈黙せよ! かくしてある歌謡 Elegischer Gesang『
悲歌』や、また最後の弦四重奏曲やの、あの神聖な裸身に到達する。これは芸術の奇蹟で....