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「悲願〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悲願の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
、伊之助に委細のことを話して右の願書を認めて貰い、家主同道で恒太郎が奉行所へお慈悲願に出ました。今日は龜甲屋幸兵衛夫婦|殺害一件の本調というので、関係人一同|町....
正義と微笑」より 著者:太宰治
学校時代に毎週、兄さんに連れられて教会へ行って聖書を習ったのを忘れたか。イエスの悲願も、ちゃんと体得した筈だ。イエスのような人になろうと、兄さんと約束したのを忘....
海底都市」より 著者:海野十三
僕は、土の流れの中からぴかぴか光るやつを、手に拾いあげて思わず大きな声を出した。悲願《ひがん》の黄金《おうごん》 僕はタクマ少年の案内で、海溝の排水地区《はい....
勉強記」より 著者:坂口安吾
事も考えるということがない。仏教第一の大哲学者は後宮へ忍びこんで千人の美女を犯す悲願をたて、あらかた悲願の果てたころに、ようやく殊勝な心を起した。これにつづく更....
日本文化私観」より 著者:坂口安吾
本堂の前へすすみ、お賽銭をあげさせて親子二人恭々しく拝礼していたが、得体の知れぬ悲願を血につなごうとしているようで、痛々しかった。 節分の火にてらして読んだあ....
理想の女」より 著者:坂口安吾
求め、探り、とらへ、そして、かくの如くに表現することによつて実在せしめようとする悲願を持つてゐないのだ。 いはゆる自然派といふヨーロッパ近代文学思想の移入(あ....
お奈良さま」より 著者:坂口安吾
るのがそもそもよろしくないのであるが、こればかりは奈良の字を当てたいという当人の悲願であるから、その悲願まで無視するのは情において忍びがたいのである。 お奈良....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
かがですか。親類代表、大庭長平。ルミ子儀かねて博愛の精神をもって、男子一切同胞の悲願をたて、よくその重責の一端を果し候も、身に限りあり……」 長平は上京した。....
カットの文法」より 著者:中井正一
いつくすのではあるまいか。 映画は、何にもまして、その時代の人々の「願い」、「悲願」に最も近く構成されるべき、文法を、みずからの構成の中にもっている。 そこ....
光は影を」より 著者:岸田国士
ることもできない運命の声のようなものだ。 この頑なともいえる彼女の宣言、彼女の悲願を、京野等志は、はじめ軽くうけ流し、それなら、愛人のような妻ならいゝではない....
世界的」より 著者:太宰治
からお祈りをする習慣だけは得ていながらも、かならずしも聖書にあらわれたキリストの悲願を知ってはいないのだ。J・M・マリイという人は、ヨーロッパの一流の思想家の由....
悲願に就て」より 著者:坂口安吾
はらしているにすぎないのはひどすぎる。 川端康成氏の「浅草祭」。この月の分は「悲願維明」と「元日のシャツ」の二つの小品で後者の方は未完。中に「彼はなにか自らの....
巨像を彫るもの」より 著者:中井正一
プを貫いて、この巨大な手をかため、足を鎧って、日本民族を封建の殻から引きはなつ、悲願の巨像を彫りつづけていることは、かの大同石仏に立ち向う数万の人々の幻の描くも....
図書館法と出版界」より 著者:中井正一
が統一してはじめて、良書が出たら「一千冊」は確実に売れるという、私達のかねがねの悲願が実をむすんでくるのである。 その時、図書館法案のもつ底力があらわれるとい....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
を囲繞しているのを感ずる。まるで太子の生御魂が鼓動をうって御像の中に籠り、救世の悲願に眼をらんらんとみひらき給うかに拝せられる。心ある者ならば、正目には仰ぎ見る....