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悲鳴
「悲鳴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悲鳴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
《ひとえ》の、前もあらわに取り乱したまま、足をばたばた動かして、気違いのように、
悲鳴を上げる――と、老人は、左手に女の髪をつかんで、右手に口の欠けた瓶子《へいし....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
の鼻を削《そ》ぎ落した。手代は勿論悪態をついたり、伍長の手へ噛《か》みついたり、
悲鳴を挙げたりしたのに違いない。しかし鼻を削ぎ落した後《のち》、血止めの薬をつけ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
つの》の太い、目を血走らせた牡牛《おうし》なのです。河童はこの牡牛を見ると、何か
悲鳴をあげながら、ひときわ高い熊笹の中へもんどりを打つように飛び込みました。僕は....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
ある。
――そら、そこへ逃げた。
――逃がすな。逃がすな。
騒擾。女はみな
悲鳴をあげてにげる。兵卒は足跡をたずねて、そこここを追いまわる。灯が消えて舞台が....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
たちまち、一面の炎になった。牛飼いの若者はその火に毛脛《けずね》を焼かれながら、
悲鳴を挙げて飛び起きると、無我夢中に高這《たかば》いをして、裏手の方へ逃げ出そう....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
た小刀で引裂《ひっさ》く医者殿が腕前じゃ、病人は七顛八倒《しちてんはっとう》して
悲鳴を上げるのが、娘が来て背中へぴったりと胸をあてて肩を押えていると、我慢《がま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
い払うその白やかな手が、空を掴んで悶えるようで、(乳母来ておくれ。)と云った声が
悲鳴のように聞えた。乳母が、(まあ、何でござります、嬢ちゃまも、坊っちゃまも、お....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、鉄棒で払わぬばかり車掌の手で突離された。よろめくと帽子が飛んで、小児がぎゃっと
悲鳴を揚げた。 この発奮に、 「乗るものか。」 濡れるなら濡れろ、で、奮然と....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
まれた。一人|渠のみならず、もの見高く、推掛った両側の千人は、一斉に動揺を立て、
悲鳴を揚げて、泣く、叫ぶ。茶屋|揚屋の軒に余って、土足の泥波を店へ哄と……津波の....
「橋」より 著者:池谷信三郎
を浮べ、まるでソドムの美姫のように、赤い電灯の点いた非常口へ殺到した。ソプラノの
悲鳴が、不思議な斉唱を響かせて。……彼女たちは、この力強い効果的な和声が、チァイ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
ら呻いて、泣煩うて貴方、三月日には痩衰えて死んでしまいました。 その次のも時々
悲鳴を上げましたそうですが、二年|経ってやっぱり骨と皮になって、可哀そうにこれも....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
たまいつ。果は笑いとこそなりたれ、わがその時の泣声の殺されやすると思うまで烈しき
悲鳴なりしかば、折しも戸に倚りて夕暮の空を見たまいしが、われにもあらで走入りたま....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
激しくなって、ばたばたばた、とそこいらを駈けたが、風か、水か、ざっと鳴る時、婦の
悲鳴が、 「あッ」 と云う…… 「奥さん。」 と刎起きる、と、起きた正面に、....
「取舵」より 著者:泉鏡花
り。得たりやと、波と風とはますます暴れて、この艀をば弄ばんと企てたり。 乗合は
悲鳴して打騒ぎぬ。八人の船子は効無き櫓柄に縋りて、 「南無金毘羅大権現!」と同音....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、糸を繰る音が聞えるだろうか。「そこまでは存じませんが、折節女の、ひい、ひい、と
悲鳴を上げる声が聞えたり、男がげらげらと笑う声がしたり、や、も、散々な妖原だとい....