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情け深い
「情け深い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
情け深いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
》を担《かつ》ぐと云う程の力の人でございます、其処《そこ》の姐御《あねご》は至極
情け深い人で、然《そ》う云う強い人の女房でございますから鬼の女房《にょうぼ》に鬼....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ーブルの賞与のかわりに四十五ルーブルか、ないしは五十ルーブルも支給してくれるほど
情け深い人であったとしても、やはり残額はまことに僅少なもので、外套代にとっては、....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
、どうしてそんな魔が魅《さ》したのでござりましょう」 学問も出来、武芸も出来、
情け深いのは親譲りで、義理も堅く、道理もわきまえている殿様が、廓《くるわ》の遊女....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
い溜息をついて、頼長の顔をそっとのぞいた。人を蠱惑《こわく》せねばやまないような
情け深い女の眼のひかりに魅せられて、頼長の魂は思わずゆらめいた。 「ほう、身にあ....
「ネギ一束」より 著者:田山花袋
まず赤児の乳を尋ねまわった。乳酪を買う銭がないので、隙をつぶして、あっちこっちと
情け深い人の恵みを求め歩いた。で、昼はまずどうやらこうやら過ごしていくが、夜が実....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
も、命は私のことをご心配くだすって、いろいろに慰め問うてくだすった、ほんとに、お
情け深い方よと、そのもったいないお心持を忘れない印に歌ったのでした。 命はそこ....
「もくねじ」より 著者:海野十三
で苦労した所長さんだ。ぼくのような出来損いのもくねじの人生を考えてくださる、この
情け深い所長さんの言葉によって、ぼくはこれまでの身を切られるようなつらいことを、....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
深きにいまさらながらおどろいた。 「ごもっともです」と朝井先生はいった。「校長の
情け深いお説に対してはもうしあげようもありません、しかし教育者は一頭のひつじのた....
「葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
が、ほかの慈悲深い人間の助けを求めているのだということはすぐ分かりました。保名は
情け深い侍でしたから、かわいそうに思って、家来にかつがせた箱の中に狐を入れて、か....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
見ると気嫌を悪くするから。 人のいい優しい、そして勇気のある剛胆な、義理の堅い
情け深い、そして気の毒な義父が亡くなってから十三年忌に今年が当たる、由って紀念の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のではなく、それをひいてる新しい友の、眼に見えぬ特質を見てとった、神経質な純潔な
情け深い恥ずかしがりのこの青年の、憂鬱《ゆううつ》な静穏さを、内気なやさしい微笑....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
く悲壮な痛ましい光景だった。ことに夜の会議は、ラショーセの戯曲の五幕目のように、
情け深いやさしいまた悲痛なものだった。善良な公衆は、何のことかわけもわからずに、....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
のいい大金持ちであった。ほんとうにこの老人は世界じゅうでいちばんいい人でいちばん
情け深い人だと思われた。 もっともそのビロードは油じみていたし、毛織りのズボン....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
くれたです。どうもこの一群の遊牧民は実に無情極まる人間だと思いましたが、案外にも
情け深い人に出逢ったものですから大いに悦んで早速幕内へ指して羊の荷物を卸し羊は羊....
「夕焼け物語」より 著者:小川未明
忘れられて、思わずほほえんだのでありました。 日ごろから、この娘はおとなしい、
情け深い、優しい性質のうえに、急にこのように美しくなったものですから、村の人々か....