情実[語句情報] » 情実

「情実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

情実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
みた、後世のために私はこれだけの義侠心を実行してみた、後世のために私はこれだけの情実に勝ってみた、という話を持ってふたたびここに集まりたいと考えます。この心掛け....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
れ多いよ、帰れ！ これ、姦通にも事情はある、親不孝でも理窟を云う。前座のような情実でもあって、一旦内へ入れたものなら、猫の児の始末をするにも、鰹節はつきものだ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、家族制度の存立と財産継承の習慣とが欠くべからざる必要事である。これらの外面的な情実から、家族は国家の柱石、資本主義の根拠地となっている。その為めには、縦令愛の....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
これはもう判決済みですから調査もなかなかでしたでしょうが……とにかく、同じように情実関係なり怨恨関係なりを、つまり前にそれぞれ一度ずつ係りの手によって調べられた....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
は当時政府の弁護者となりかつ旧勤王論者と相合したるため、主義上と言うよりはむしろ情実上において他の二派に敵視せらたるがごとし、しかして現政府の反対たる自由・改進....
「転機」より 著者:伊藤野枝
に対しての反抗、または買収の手段の陋劣に対する私憤、その他種々なからみまつわった情実につれて、死んでも買収には応じないと頑張った。大部分の買収を終わって、既に工....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
うものなのです。斯う言った方のほうが、新らしい帰幽者を指導するのに、まつわる何の情実もなくて、人霊よりもよほど具合が宜しいと申すことでございます。 私がお神使....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
れは私達二人きりで作った家庭でなかったということをいえば、本当に世間並な、因習と情実をもった「家」だということを、解って頂けることと存じます。たとえ家族の人達は....
「光は影を」より 著者:岸田国士
つて、それこそ、孤独と殺風景になれた生活から、急に、両親と弟妹から成る家の秩序と情実のなかへ飛び込む億劫さは、よくよくのことなのであろう。 現に、彼は、東京駅....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
自分だのに、歌に現われた所は全くアイヌの宣伝と弁明とに他ならない。それには幾多の情実もあるが、結局現代社会の欠陥が然らしめるのだ。そして住み心地よい北海道、争闘....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
けれどもそれでは大切の原書に依って仏法を研究することが出来ない。ついてはこれらの情実に打ち勝つだけの決心をしなければ到底出掛ける訳に行かぬと考えました。この理由....
「活人形」より 著者:泉鏡花
れを見て、躍り出んと思えども、敵は多し身は単つ、湍るは血気の不得策、今いうごとき情実なれば、よしや殴打をなすとても、死に致す憂はあらじ。捕縛してその後に、渠等の....
「自分を鞭打つ感激より」より 著者:小川未明
芸術というよりか、直に、自己の真情を社会に向って呼びかけるための芸術であります。情実と利害関係の複雑な文化機関と、その文壇的の声望は、以上の如き芸術に、決して正....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
然この地を引揚げることになります。しかし実際には紛失していないのですから、そこは情実で何とかなるだろうと思いましたの、ならないとしても有喜子を引離す目的は達し得....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
一座の組織されるにいたったこと。――そうする上には従来新派の癌とされていた諸種の情実だの因襲だのを根本から芟除すると同時に、この際、女形制度を廃して女優を活用す....