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「情性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

情性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
《と》りも直《なお》さず道義的であると同時に芸術的に違ない。(文学と云うものが感情性のものであって、吾人の感情を挑撥《ちょうはつ》喚起するのがその根本義とすれば....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
純白の頭布を頂いている。誰しもその優雅な姿を見たら、この婦人が、ロムブローゾに激情性犯罪の市と指摘されたところの、南|伊太利ブリンデッシ市の生れとは気づかぬであ....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
義の要求」とは、この心的満足をいいあらわしたものではあるまいか。学者は、往々この情性を野蛮と罵《ののし》って、一概にこれを排斥するけれども、これ畢竟刑法発達史を....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
またこの四つのものが混合してある一つの全体を成すと言っている。 人間や動物の性情性質の相違はこの熱と精気と、空気との含有の割合によって生ずる。たとえば獅子は熱....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
自ら感情であり、烈《はげ》しい爆発的の行為に出ようとするところの、デオニソス的激情性のものであるのに、客観者は智慧であって、表現の観照に向うところの、静かな明徹....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
が如き思いがある。 抑も芸術の物たる其由て居る所果して、安くに在る哉。蓋し吾人情性皆悩中一種の構造に繋る者にして其庶物の観に於けるや嗜む所あり嗜まざる所有り。....
新しい美をつくる心」より 著者:宮本百合子
男をこめて、人間の美質の一つとして考えられて来た。質実な美感の深さ、そこにある抒情性のゆたかさというようなものは、人間の心にたたえられる情感のうちでも高いものの....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
は前の方の一面を道徳の習俗性(ジットリッヒカイト)と呼び、後の方の一面を道徳の心情性(ゲミュート)と呼ぶことが出来ると思う。要するに前者は人間の習慣であり後者は....
あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」より 著者:宮本百合子
ころがある。久しい間、現代文学の課題となって来た「私小説」からの脱却、伝統的な主情性の克服の可能も、文学が人民のリアリスティックな発展の可能性とそのための多種多....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ivite', combativite', se'cre'tivite'.〕(愛情性、争闘性、隠密性) 歩兵―― ma clarinette.(私の銃) 騎兵―....
政治の論理と人間の論理」より 著者:三木清
ても、革命の功労者の多数が次から次へ倒されてゆくのを見ては、我々は政治の論理の非情性を思わずにはいられない。我々のヒューマニスティックな感情はそこになにか忍び難....
ミケランジェロの彫刻写真に題す」より 著者:高村光太郎
教芸術の厳しさと、ギリシャ芸術の豊かさとが此所に全く融合し、更に近世的人間苦の抒情性、爆発性を内蔵して、遠くして近く、近くして遠い此の全人的芸術が生れた。ミケラ....
正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
たばてい》の『浮雲』や森先生の『雁《がん》』の如く深刻|緻密《ちみつ》に人物の感情性格を解剖する事は到底わたくしの力の能《よ》くする所でない。然るに、幸にも『深....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
への反映は和歌の危機を意味する 三 藤原俊成、隠者文芸、『千載集』、その特色、抒情性の優位、幽玄 四 西行法師、『山家集』、実人生への敗恤と交換した文学精神 五....
〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
に取り入れられ、又更にそれを基礎として強力的に単一化され了るならば、人類の理性と情性とを進歩せしめる動力は事実上全く失われることは火を睹るよりも瞭らかである。吾....