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情死
「情死〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
情死の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ら、何と威《おど》されても恐ろしくは有りません、密旨に忠義を立て通して密旨と共に
情死をする許りです、金銭ででも済む事なら、イヤ今まで彼と貴女には云うが儘に金銭の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、奪わるべき何者もない。 だからその場合彼が死ぬことは私が死ぬことだ。殉死とか
情死とかはかくの如くして極めて自然であり得ることだ。然し二人の愛が互に完全に奪い....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
うのでここを「もくもく」と云い、京洛の茶人はわざわざ自動車で水を汲ませに寄越す。
情死するため投身した男女があったが、どうしても浮き上って死ねなかったという。いろ....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
だめたそうです。すると健吉くんは、それならば自分も永久に独身で暮らそうと言って、
情死のことはふっつりと断念したそうですが、そののちもやはり毎日浮かぬ顔をして、と....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
辱の二六新報の署名人、犬姦事件の万朝報署名人、恐喝取財の日出新聞記者、自殺幇助(
情死未遂)の少年、官文書偽造の中学校書記、教科書事件の師範学校長、同上高等女学校....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
れると直ぐプロペラーの音を聞き得る訳である。浄瑠璃が何故に面白いのか、新内がなぜ
情死させる力があるのか、さっぱりわからない事になりつつあるかも知れない。 私な....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
れむべき相であって、またそれを通じて美しき人間性の発露もあり得る。日本民族独特の
情死の如きは、もっと鞏固な意志と知性とが要求されるとはいえ、またそうでなければ現....
「人造物語」より 著者:海野十三
蔵の中で、人形とホソボソ睦言を囁き、あげくの果は、美しい夫人を残して、その人形と
情死するという筋を描かれた。 花屋敷には、普段の入場客と寸分たがわぬ人形が園内....
「明暗」より 著者:岡本かの子
糸が縦横に絡んでいるだけに一層仕末が悪いことである。智子はこういうときにこそ夫婦
情死というものが起るのだろうと思ってますます肌寒い思いがした。 智子が必死の思....
「呪われの家」より 著者:小酒井不木
助からぬから死んで下さいと申しました。かねて、二人は若し今回の秘密が発覚したら、
情死をする約束をしたので御座います。然し、鬼頭さんは私の耳に口を当てて、生きられ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
堀割の土手|続で、これから八幡前へ出る蛇の蜿った形の一条道ですがね、洲崎へ無理|
情死でもしに行こうッて奴より外、夜分は人通のない処で、場所柄とはいいながら、その....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
べしと断定す。また問う、「軍歌にておどるや」と。このとき足あがらず。また問う、「
情死節にておどるや」と。このとき足あがらず。また問う、「しからば相撲|甚句にてお....
「活人形」より 著者:泉鏡花
肩を押えてゆすぶれば、打戦くのみ答は無し。「それからまだある。この男と、お前と、
情死をした様にして死恥を曝すのだ。どうだ。どうだ。下枝は恨めしげに眼を※とこうい....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
は風呂敷の中で、心臓を突き、自殺したのです」 「しかし、姉への復讐ならむしろ妹と
情死したように見せた方がいいんじゃないか。それに――、好きな女を自動車の中に棄て....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
ルモチンもある。 しかし今私が死んだら世間の人は何というでしょう。美人霊媒女と
情死、ああそれは堪えられません。 悶えると云いますか、悩むと云いますか、世のあ....