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情状酌量
「情状酌量〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
情状酌量の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に堪えられないので放火したという風に巧く云い取りをしたと見えて、こんにちでいえば
情状酌量、罪一等を減じられて八丈島へ流されることになりました。それを有難いと思っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と照之助は関係があったのでした。照之助は年も若いし、兄のかたき討ちというところに
情状酌量の点もあるので、遠島になりました。 腕を斬られた二人、そのうちで岩蔵は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いた。 「おかんは死罪になりました」と、半七老人はわたしに話した。「今日でしたら
情状酌量にもなったのでしょうが、その時代ではどうもそう行きませんでした。それも自....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
見込が附けば其時初めて罪に落す、若しお前の白状だけで外の証拠に疑わしい所が有れば
情状酌量と云て罪を軽める事も有り又証拠不充分と云て其儘許す事も有る」と殆ど噛で食....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
刑事は歯がみをしながら云った。 「だまっていればいる程損なんだ。立派に白状すれば
情状酌量と云う事がある。お前が強情を張る為に罪のない女房まで痛い目を見ているでは....
「姑と嫁について」より 著者:与謝野晶子
景にしている日本の法律では、嫁が姑を刺したという表面の大それた事実を重く見るので
情状酌量の余地がない。それでこの犯罪は八年の懲役に処せられ、執行猶予の沙汰もなか....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
た。起訴される前の晩であった。自供すれば、また横谷君の事実無根のあれを認めれば、
情状酌量される。もし私が真実を真実として闘えば破れるのか。」「泉川検事のいうこと....
「電車停留場」より 著者:豊島与志雄
て新聞に書き立てられた、某美人に就てのものだった。彼はその予審調書によって、充分
情状酌量の余地あることを見て取って、可なり寛大な論告草稿を拵えておいた。所が、公....
「月評をして」より 著者:豊島与志雄
つけて、その情状の酌量を批評家に要求するほどのずるさは、作者の方にない筈である。
情状酌量は、ただ作者自身の胸の中にしまっておくがよい、そして公正な批判を甘受する....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
法は人を裁くが如くにして、実は、その罪を、その罪の軽重のみによつて裁くのである。
情状酌量には限度がある。この岡本の竹を割つたような性格には、なるほど一点の邪悪ら....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
が、しかしヒルトン・キューピット氏が、最初に発射したと云うことが明瞭になったので
情状酌量して、死刑を改めて懲役刑とされた。 それからヒルトン・キューピット夫人....
「或る部落の五つの話」より 著者:佐左木俊郎
に、重クロム酸加里を混入せる酒を呑ましめたることも、自分の利得のための殺人として
情状酌量の余地なし。」 ――昭和四年(一九二九年)『文学時代』十月号――....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
どんなに嬉しいかわかりません」 「爺さんに犯罪意志の無かったことは十分に認める。
情状酌量すべきものが十分ある。併し死体遺棄罪として一応は検事局へ……それから、西....
「放浪」より 著者:織田作之助
が、尻はまくらなかった。 間もなく順平は送局され、一年三ヶ月の判決を下された。
情状酌量すべき所無いでもないが、都亭主人を欺いて社会にとって危険極る人物となり、....