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情詩
「情詩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
情詩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
なかった。辰子は他人の身の上のように彼の求婚した時のことを話した。しかもそれは抒
情詩《じょじょうし》よりもむしろ喜劇に近いものだった。――
「大村は電話で求婚し....
「河童」より 著者:芥川竜之介
うするものか? 批評家の阿呆《あほう》め! 僕の抒情《じょじょう》詩はトックの抒
情詩と比べものにならないと言やがるんだ。」
「しかし君は音楽家だし、……」
「そ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
入れた銘があった。目次を見ると、藤沢の「鳶色《とびいろ》の薔薇《ばら》」と云う抒
情詩的の戯曲を筆頭に、近藤のロップス論とか、花房《はなぶさ》のアナクレオンの飜訳....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
又
わたしは三十歳を越した後、いつでも恋愛を感ずるが早いか、一生懸命に抒
情詩《じょじょうし》を作り、深入りしない前に脱却した。しかしこれは必しも道徳的に....
「弓町より」より 著者:石川啄木
詩人には、従来の詩に関する知識ないし詩論は何の用をもなさない。――たとえば詩(抒
情詩)はすべての芸術中最も純粋なものであるという。ある時期の詩人はそういう言をも....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
てた、大きい象牙の玉座の上に度々太い息を洩らした。その息は又何かの拍子に一篇の抒
情詩に変ることもあった。 わが愛する者の男の子等の中にあるは 林の樹の中に林檎の....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
亭主が十字軍に行っているのだからね。その留守中に、貞操帯の合鍵を作えて、奥方が抒
情詩人と春戯くのもやむを得んだろうよ。だがただしだ。その方向を殺人事件の方に転換....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
七人のペルシア詩人中の一人で、十四世紀に生きていたハーフェズのペシミズム溢れる抒
情詩から、ゲーテは多大の影響を受けたと言われている。もしも彼にしてハーフェズの創....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
恐れぬらしく二たび少し隔った水面に落ちた。僕は、春のドナウに浮寝している雁は、抒
情詩になるだろうと思った。 暫く行くと、向うからブレーゲが来て、ブリガッハに合....
「人形の話」より 著者:折口信夫
前の「ひひな使ひ」は、「ひひな」に関する叙事詩を語っていたにちがいない。それが抒
情詩になってきた。昔男があって、長者の女に通うたということを歌いながら人形を使う....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
ッテルを貼られるとすれば、むしろ周章狼狽するか、大袈裟なことをいうな、日本では抒
情詩人の荷風でもペシミズムの冷酷な作家で通るのだから、随分大袈裟だねと苦笑せざる....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
どもここに、一つ考えねばならぬ事は、我々の祖先の残した多くの歌謡が、果して真の抒
情詩かどうか、と言う事になると、尠くとも私だけは、二の足を踏まないでは居られない....
「私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
ぼみが春の風にさすられて、少しづつ開かんとする感傷的な少年の胸には、この甘美な抒
情詩のような美しい恋物語りが、まるで優しく胸をふくらましてくれたのである。 泉....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ている。これはある意味では生活のデカダンである。こうした自然の種々相をとらえて抒
情詩をなすということのためには、おそらくは生活を風雅のために挙げて捧げねばならぬ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
女が一人御亭主に負けずに棹を差していた。こういう水上生活者の夫婦位妙に僕等にも抒
情詩めいた心持ちを起させるものは少ないかも知れない。僕はこの五大力を見送りながら....