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「情調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

情調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
貨幣一枚一枚の重さを計って支払いするような注意をしていた。それだのに目の前に異国情調の豊かな贅沢品《ぜいたくひん》を見ると、彼女の貪欲《どんよく》は甘いものを見....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
。両側の飲食店からは、絃歌の音がさんざめき、それに交って、どこの露地からも、異国情調の濃い胡弓の音や騒々しい銅鑼のぶったたくような音が響いて来た。色提灯を吊し、....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
その上衣から発散することが判ってきた。それにしても、いい匂いだが、なんという異国情調的な香なんだろう。私の手は無意識に伸びて、その上衣のポケットを、まさぐってい....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
々「チー」や「ポン」の懸声があちこちに起り、またガチャガチャと牌をかきまわす異国情調的な音が聴えて来ました。どうしても来ない客が二人ほどあったために兄夫婦はあと....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
のいろいろな時代や国民のそれぞれの特質を表わしているように、茶の理想もいろいろな情調の東洋文化の特徴を表わしている。煮る団茶、かき回す粉茶、淹す葉茶はそれぞれ、....
人造人間事件」より 著者:海野十三
ビルがクッキリと暗闇に聳えたっているのが見えた。このあたりには今も明治時代の異国情調が漂っていて、ときによると彼自身が古い錦絵の人物であるような錯覚さえ起るので....
出奔」より 著者:伊藤野枝
出した日に永田という人から極めて露骨なハガキがまいこんだ。『私妻藤井詳しく出奔の情調でも味わうがいい。俺は近頃汝のために思いがけない刺戟を受けて毎日元気よく暮ら....
水の女」より 著者:折口信夫
ほど、早く固定するはずである。だから、文字記録以前にすでにすでに、時代時代の言語情調や、合理観がはいってくることを考えないで、古代の文章および、それから事実を導....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
、脚をとる泥沼なる「さび」に囚われまいと努め努めして、とどのつまりは安らかな言語情調の上に、「しおり」を持ち来しそうになって居た。而もあれほど、「口まめ」であっ....
」より 著者:犬田卯
の五名までが瘤の門下生であり、吏員の半数以上がかつて瘤のお伴でF町の料亭で濃厚な情調――多分――を味わった経験の持主と来ている上に、村の長老株もまた同穴の狢なら....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
遠、幽邃、壮大、雅麗等の諸性質はそなえておらなければならぬが、また超快感的の気韻情調の観るべきものを必要とする。すなわち人を引いて彼岸の理想境に入らしむる底の魅....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
のがある、ヘイズンかシューベルトのセレナードでも聴いて見給え、かなりシンミリした情調が味える、かつシンミリしたものばかりが美くしい音楽ではないから……」と二、三....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
あったのだ。 が、諸藩の勤番の田舎侍やお江戸見物の杢十田五作の買妓にはこの江戸情調が欠けていたので、芝居や人情本ではこういう田五作や田舎侍は無粋な執深の嫌われ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
金葉』『詞花』の頃にはまさかこんな歌は取られていない。今少し『古今集』この方の抒情調に近い形のものが取られている。 梢には吹くとも見えで桜花かをるぞ風のしるしな....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
|灰塵に帰して、今やその跡に新たなる東京が建設されつつあるので、その光景も気分も情調も、全く更生的の変化を示しているが、わが神楽坂通りをはじめ牛込の全区は、幸に....