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「惑い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

惑いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
た。そしてそうすることが隠れている災難を眼の前に見せる結果になりはしないかと恐れ惑いながらも、小さな声で、 「お母さん」 と呼んでみないではいられなかった。十....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
らんや。渠は実にいまだかつて信ぜざりし狐狸《こり》の類にはあらずや、と心はじめて惑いぬ。 「おまえさんはよっぽど情なしだよ。自分の抱いた女を忘れるなんということ....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
可愛いのが真正面に、ぼかんと留まって残っている。――どうかして、座敷へ飛込んで戸惑いするのを掴えると、掌で暴れるから、このくらい、しみじみと雀の顔を見た事はない....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
いたい、話に乗ってくれと斯うだ。 之れで読めた、読めは読めたが、思わく違いに当惑いた。全くまごつくじゃ無えか。 虫の娘を人間が欲しいと云って来やがったんだ。....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
ありなしの縁に曳かれて、雛妓の小とみ、弟が、かわいい名の小次郎、ともに、杖まで戸惑いしてついて来て、泣いていた、盲目の爺さんが、竹の杖を、お光の手に、手さぐりで....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
を損えば、おのずから引いて、我等修業の妨となり、従うて罪の障となって、実は大に迷惑いたす。」 と、やや歎息をするようだったが、更めて、また言った。 「時に、こ....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たように、ずッと遠くなる……風の寒い、冷い縁側を、するする通って、来馴れた家で戸惑いもせず、暗がりの座敷を一間、壁際を抜けると、次が玄関。 取次いだ女中は、も....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
しいけれども、もの寂しい。四月の末だというのに、湿気を含んだ夜風が、さらさらと辻惑いに吹迷って、卯の花を乱すばかり、颯と、その看板の面を渡った。 扉を押すと、....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
いたる青楓の材を見れば、また姉上の憂目を訴えたまいしがごとく思われつつ、心|太く惑いて脳の苦しきが、いずれか是なる、いずれか非なる。わが小親を売りて養子の手より....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
。 「どうも、だし抜けにこんな変テコな殺人事件を聞かされたんじゃア勝手が違って戸惑いますよ」 やがて技師が口を切った。 「しかし係長。あなたも人が悪いですね。....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
駄ばきで卵塔場へ出向わるる。 かあかあと、鴉が鳴く。……墓所は日陰である。苔に惑い、露に辷って、樹島がやや慌しかったのは、余り身軽に和尚どのが、すぐに先へ立っ....
迷信解」より 著者:井上円了
て勝利の前兆なりとて喜びたれば、信玄たちまち鉄砲をもってその鳩をうち落とし、人の惑いを解きたりという話がある。また民間に、クサメにつきて吉凶を卜することを伝えて....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
、また決して少々にあらざるなり。ゆえに余は、学術上、その道理を明らかにして世人の惑いを開くは、方今文明の進歩上必要なることと信じ、ここに狐狗狸の原因事情を論明し....
活人形」より 著者:泉鏡花
とおっしゃるが、実とは思われません。と言解様の我を欺くとも思われねば、得三は疑い惑い、さあらんには今しがた畦道を走りし婦人こそ、籠を脱けたる小鳥ならめ、下枝一た....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
年ようやく学者中にヤソ教を信ぜざるもの起こり、仏教を主唱するものありて、ややその惑いを解くに至れり。ただその高論の、いまだ狹隘なる婦人の心裏に入らざるのみ。 ....