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「惚け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

惚けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
誰にどうして殺されたか、唯一の証人は女中のお滝であるが、彼女は十七の若い女で、寝惚けていたのと狼狽えていたのとで、もちろん詳しいことはなんにも判らなかった。彼女....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ない。おれが確かに見とどけたんだから」 「見とどけた。むむ、寝ぼけ眼でか」 「寝惚け眼でも猿まなこでも、おれが見たと云ったら確かに見たんだ。人形にたましいのはい....
蠅男」より 著者:海野十三
走りしたものでネ、なにしろ知合いに会ったものだから」 「はアはア、そうでっか、お惚け筋で、へへへ、どちらまで行きはりました」 「ウフン。大分遠方だ。……部屋の鍵....
食魔」より 著者:岡本かの子
先生が欲しいといえばきっと、呉れるから――」 珍しく丁寧に頼んだ。はいはいと寝惚け声で答えて、あたふた逸子が出て行く足音を聞きながら、鼈四郎は焜炉に炭を継ぎ足....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
。……祖母さんは耳が遠いから可かったものの、(活きてるよ。)は何事です。(何を寝惚けているんです。しっかりするんです。)その頃の様子を察しているから、お京さん―....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
たお座敷には、奥方様の他に誰方もおいでがないと、目を丸くして申しますので、何を寝惚けおるぞ、汝が薄眠い顔をしておるで、お遊びなされたであろ、なぞと叱言を申しまし....
露肆」より 著者:泉鏡花
声、冷かなものであった。 「弘法大師御夢想のお灸であすソ、利きますソ。」 と寝惚けたように云うと斉しく、これも嫁入を恍惚視めて、あたかもその前に立合わせた、つ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、呼んだのは確に婦で……しかも目のぱっちりした―― 「待て、待て、」 当人|寝惚けている癖に、他の目色の穿鑿どころか。けれども、その……ぱっちりと瞳の清しい、....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
身の皮を残らず剥ぐ。丸裸にして調べるのじゃ」 「それは又何故に」 「ええ、未だ空惚けおるか。おぬしは拙者の腰の印籠を盗みおった。勿論油断して岩を枕に午睡したのが....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
坊主頭を蘆の穂先で撫廻されて。 「梨の実と間違えて、皮を剥いちゃア困ります」と寝惚けていた。 五 やがて船を大師河原の岸に着けた。 「さて、ここ....
深川女房」より 著者:小栗風葉
、明日の夕方か、明後日の午後にと言ったその午後がもう四時すぎ、昨日もいたずらに待惚け食うし、今日もどうやら当てにならないらしく思われたので。 「今まで来ないとこ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
りますか、勝手に居た女中が女の明巣覗が入ったっていうですからな。はははは、何を寝惚けおって。さあ、お通りなさいまし、馬鹿な、)と気抜けのした様子。 (はい、御門....
式部小路」より 著者:泉鏡花
の事である。 それとなく、 (昨夜夜中に帰りましたね。) (喧嘩の夢を見て、寐惚けたんだよ。)とばかりお夏は笑っていたが、喧嘩の夢どころではない、殺人の意気天....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
のである。その一例を挙げると、まずこんなものである。 「国会ひらけた暁に、役者に惚けちゃいられない。日本大事に守りなさい。眉毛の無いのがお好きなら、癩人を色に持....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
いるように感じられる。 フレンチの向側の腰掛には、為事着を着た職工が二三人、寐惚けたような、鼠色の目をした、美しい娘が一人、青年が二人いる。 フレンチはこの....