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惜しみ
「惜しみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惜しみの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ちこう》へはいりゃ好いのに。」
「一高へなんぞちっともはいりたくはない。」
「負
惜しみばかり云っていらあ。田舎《いなか》へ行けば不便だぜ。アイスクリイムはなし、....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
。
「では都の噂通り、あの松浦《まつら》の佐用姫《さよひめ》のように、御別れを御
惜しみなすったのですか?」
「二年の間同じ島に、話し合うた友だちと別れるのじゃ。....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
したそうです。が、何しろ一杯機嫌で、「そりゃ面白い。是非一つ見て貰おう。」と、負
惜しみの膝を進めました。「じゃ僕が案内しよう。この間金談を見て貰いに行って以来、....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。これから地面の下で湿気を食いながら生きて行くよりほかにはない。――おれは負け
惜しみをいうはきらいだ。こうしている今でもおれは家内や娘たちの事を思うと不憫《ふ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
「酒手で馬は動きません」 わずかに五銭六厘を懐《ふところ》にせる奴は驚きかつ
惜しみて、有意的《こころありげ》に御者の面《おもて》を眺《なが》めたり。好意を無....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
をそそっていかにも雄々しい頼みがいある男と見え、死んでは万人にその英雄的な最後を
惜しみ仰がれ、遺族まで生活の保障を与えられる飛行将校にすらなろうという人の少ない....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
わが人生の崎嶇を味わいみるのも、また一種の慰藉にならぬでもない。 それだけ負け
惜しみが強ければ、まァ当分死ぬ気づかいもないと思っておってくれたまえ。元来人間は....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
なこととは夢にも気づかず、見せるといったものが、あまりに出て来ないので、僕が出し
惜しみをしているように老人に誤解され一喝を喰いはしないか――と、それを心配して、....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
浮世のはかなさをかいたものである。火鉢にかかって沸いている茶釜の音には、ゆく夏を
惜しみ悲痛な思いを鳴いている蝉の声がする。やがて主人が室に入る。おのおの順次に茶....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
慮なくやるがいいさ、帆村君は、検察委員の一人なんだから、われわれに協力することを
惜しみはしないよ」 長谷戸が喋っている間に、警部の顔は真剣になって赭くなり、他....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
々。)と寒さにふるえながら牛骨が虚飾をいうと(妙。)――と歯を喰切って、骨董が負
惜しみに受ける処だ。 またあたかも三馬の向島の雪景色とおなじように、巻込まれた....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
して、なおいろいろな詰問を受けるようなことを残しておきたくないという例の私の負け
惜しみから、まず大杉さんと自分とのことに釘をさしておいてからにしようと思いました....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
はじめ、芸人の仲間にも、あわれ梨園の眺め唯一の、白百合一つ萎んだりと、声を上げて
惜しみ悼まれたほどのことである。 深川富岡門前に待乳屋と謂って三味線屋があり、....
「古事記」より 著者:太安万侶
王《とうおう》よりもまさつているというべきであります。そこで本辭の違つているのを
惜しみ、帝紀の誤つているのを正そうとして、和銅四年九月十八日を以つて、わたくし安....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
噛んで吐き出すように小田切さんがいいました。私はちょっと返事に詰ったものの、負け
惜しみから口唇に微笑を見せて、横を向いて居りました。するとあの人は少時暗い顔をし....