惜別[語句情報] »
惜別
「惜別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惜別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
(誠に人間、相見る束の間の喜びは短かく、薄く、別離の傷心のみ長く深い、人間は常に
惜別の情にのみ生きているといっても過言ではあるまい)といった意味を述べていたと思....
「十五年間」より 著者:太宰治
表した。その次には「新釈|諸国噺」という短篇集を出版した。そうして、その次に、「
惜別」という魯迅の日本留学時代の事を題材にした長篇と、「お伽草子」という短篇集を....
「惜別」より 著者:太宰治
ご自分のお宅に呼んで、そうして僕に先生のお写真を一枚下さった。その写真の裏には『
惜別』と二字書かれてあった。そして僕の写真も呉れるようにと希望された。だが僕はそ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
「もう、帰るのか」 X大使に、下から出られると、私もまた、彼に対し、ふしぎに
惜別《せきべつ》の念を禁じ得なくなった。 「うん、今は帰るが、いずれそのうち、実....
「「グッド・バイ」作者の言葉」より 著者:太宰治
た時のよろこびは、つかのまに消えるものだけれども、別離の傷心は深く、私たちは常に
惜別の情の中に生きているといっても過言ではあるまい。 題して「グッド・バイ」現....
「返事」より 著者:太宰治
で、こうして長い手紙を交換する。縁と言ったってかまやしません。 このたび私の「
惜別」が橋になって、あなたから長いお手紙をいただきましたが、私は、たいへんうれし....
「好人物」より 著者:豊島与志雄
たしは、路傍の石にも等しいのだろうか、飼い猫にも等しいのだろうか。もしあの人が、
惜別の涙の一滴でも流してくれるなら、わたしはほんとに別れてみせる。わたしにも意地....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
お願いですが、お約束通りの退職金を、今日頂けますまいか。」 「ばかに気が早いね。
惜別の宴でも、一夕、社員たちと一緒に設けたいんだが、どうかね。」 「そのようなこ....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
をほてらしながら荘一清に見せました。それは、友情と恋情との間の微妙な一線上にある
惜別の感情で、「……沈黙は、愛情を尊敬するからだ。」と結んでありました。 彼女....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
していたのだ。そのうちに、神尾もこの本を手に入れた。矢島に赤紙がきて、神尾の家へ
惜別の宴に招かれたとき、かねて借用の本を返そうというので、数冊持って帰ってきたが....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
ざいます。 「旅衣夜寒むをいとへ国のため草の枕の露をはらひて」という、望東尼様の
惜別の和歌に送られ、平野国臣様に伴なわれ、もちろんわたしもお供をし、吉之助様のご....
「作画について」より 著者:上村松園
国博出品の「清少納言」や、その後の「義貞勾当内侍を視る」「頼政賜菖蒲前」「軽女悲
惜別」「重衡朗詠」また小野小町、紫式部、和泉式部、衣通姫などの宮中人物、上※、女....
「軽女」より 著者:上村松園
三十三年である。「花ざかり」「母子」の次に描いたもので、この故事に取材した「軽女
惜別」はわたくしにはなつかしい作品の一つである。....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
「花ざかり」日本絵画協会出品(二等銀牌三席)「母子」巴里万国博出品(銅牌)「婦女
惜別」新古美術展創立十周年回顧展出品(二等銀牌) 同 三十四年 「園裡春浅」新古....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
そんな話をしているうちに食堂は人で一杯になった。その食堂の一テーブルはこんな
惜別のまどいが比較的長く占領していた。 或日の午後二時半頃から一時間ばかりのひ....