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惣領
「惣領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惣領の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
だに、形見分けの始末なども残らず決めておいた。足利《あしかが》の町へ縁付いている
惣領娘《そうりょうむすめ》にもいくらかの田地を分けてやった。檀那寺《だんなでら》....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
い暮らしむきの都合もあるので、仕方がなしに娘を両国へ通わせている。七年前に死んだ
惣領《そうりょう》の息子が今まで達者でいたらとは、母が明け暮れに繰り返す愚痴であ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いって、もう六十ぐらいになる。女房は十年ほど前に死ぬ。子供は男二人と女ふたりで、
惣領は奥州の方へ行って店を出している。次男は中国の方へ養子にやる。
惣領娘は越後の....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
、おれがいくとお町は二つの小牛を庭の柿の木の蔭《かげ》へ繋《つな》いで、十になる
惣領《そうりょう》を相手に、腰巻一つになって小牛を洗ってる、刈立ての青草を籠に一....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろと突き放すことも出来るのであるが、たとい勘当とは云いながら、次右衛門は関口屋の
惣領息子で、当主次兵衛の兄である。次兵衛は兄と闘うことは好まない。仲裁人らも兄を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で頼む、どうぞ養子になってくれと云った。 思いも付かない話でもあり、且は自分は
惣領の跡取りであるので、弥三郎は無論にことわって帰った。しかし師匠の方でなかなか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「いや、おどかす訳じゃあねえ」と、兼吉はわざと笑ってみせた。「実はね、津の国屋の
惣領娘がわずらいつく二、三日まえの晩に、近所の者が外へ出ると、町内の角で一人の娘....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いろの風説が伝えられたが、その真相はこうであった。お菊は後妻で、ことし八つになる
惣領息子をふだんから邪魔物にしていた。世間によくある習いで、彼女はおそろしい継母....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
働いていた。伝兵衛の女房は七、八年前に世を去ったということで、家族は主人のほかに
惣領息子の伝四郎と妹娘のおげん二人ぎりであった。伝四郎は今年|二十歳の独身者で、....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
い。どうりで見覚えがあると思った。暫く見ないうちに大きくなったもんだネ」 「あの
惣領息子が、岸一さんといって、社会局の事務員をしていたのが、いまの話では、立川飛....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
知っている筈です」 其蝶は本名を長次郎といって、惣八と同商売の尾張屋という家の
惣領息子であるが、俳諧に凝りかたまって店の仕事は碌々見向きもしないので、おやじが....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
中親が亡なって代がかわりました。三人の兄弟で、仁右衛門と申しますあの鼻は、一番の
惣領、二番目があとを取ります筈の処、これは厭じゃと家出をして坊さんになりました。....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
例の榎の立っている家について内偵しますと、それは五兵衛という六十ぐらいの百姓で、
惣領のむすめは宇都宮の方に縁付いていて、長男は白河の町に奉公している。次男は町の....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
とかたまり、そこの入口に陣取っていました。なかでいちばんす早いやつでも、ききんの
惣領息子が丁年になったような顔をしています。そのほかは、めくらかいざりがぼろにく....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
もなしに耳を傾けていたのであった。 琴のぬしをお菊は知っていた。それは隣屋敷の
惣領娘で、今から四、五年前に家格が釣合わない位に違う大身の屋敷へ器量望みで貰われ....