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惨い
「惨い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惨いの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
何となく笑っている。始めて男は娘に口を切った。 「どうかしましたか」それは決して
惨いとか冷淡とかいう声の響ではなかった。 「いいえ、あたし、あんまり突然なのでび....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
のしかかり、力まかせに、グイグイと咽喉を締め上げていた。 ――それから、どんな
惨いことが、この全然人気のない原っぱの中で行われたか……ただ、彼女の真白い足の裏....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
、今度こそは否応なく、撃沈されてしまいます。あれほどの大手柄をたてた艦に、なんと
惨い御褒美でしょう。 だがあくまで沈勇な清川艦長は、全員を指揮して、早速修理に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
くれる人と、くれない人とが判りますか?』 『はっきり判ります。私達は気の荒らい、
惨い人間が大嫌いでございます。そんな人間だと私達は決して姿を見せませぬ。だって、....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
れらを恐れさせたのは、その旅人の背負っている重い罪の影か、あるいは殺された女の凄
惨い姿か、確かには判断がつかない。どっちにしても、私はうしろが見られるような心持....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
を命に、九死の大冒険をあえてして、古城へ忍び込んだ。果然ドーブレクは古塔の一室に
惨い拷問の憂き目を見ていた。傍に立つのはアルブュフェクス侯爵にその部下二名。棍棒....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
由利さんとア小娘の時から知り合ってるおいらだ。青山小町と迄うたわれた娘を、こんな
惨い目に遇わしやがった奴を、おめおめ生かしておくもんじゃねえ。それに今日は、おい....
「活人形」より 著者:泉鏡花
が飛んだことになりました。「ふむ、死にましたろう。だから言わないことか、あんなに
惨いことをなさるなと。とうとう責殺したね。非道ことをしなすった。「いえ、死んだの....
「挿話」より 著者:徳田秋声
過について語りだした。手術をすれば、たぶん癒るであろうが、青木の親たちは、手術は
惨いから忍びないと言って、成行に委すことにしたのであった。 姉の口ぶりがひどく....