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惨澹
「惨澹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
惨澹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
を読み終ると、再び元のような悠然たる態度で、自分たちの敬礼に答えながら、今までの
惨澹《さんたん》たる悪闘も全然忘れてしまったように、落ち着き払って出て行ってしま....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
、すっかりひれ伏してしまったのだ。 生物の絶滅! もしも地球の外部から、この
惨澹たる氷河期に見舞われた、地球の有様を見ていた者があったとしたら、彼は、地球の....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
次に、これはよほど酷いと思うようになった。山の手は助ったことが判ったが、とにかく
惨澹たる東京の被害実状が次々に報ぜられた。復一は一応東京へ帰ろうかと問い合せた。....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
である。 此の戦は霜月のことであるから、橋から落ちて流れる敵兵五百余人の姿は、
惨澹たるものがあった。正行は是を憫んで彼等を救い上げ、小袖を与えて身を温め、薬を....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
十部即ち凡そ二千冊が大抵灰燼となって、僅に残存した数十冊が表帋は破れ周囲は焦げて
惨澹たる猛火の名残を留めていた。 眇たる丸善の損害は幾何でも無いが、一万三千余....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
であろう。しかし一度利己、利他という意識が萌したときわれらは少なからず動揺した。
惨澹たる思索の果て、ついに唯我論に帰着し、利己主義に到達したる君はまっ蒼な顔をし....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
鉄拐《てっかい》夫人だ。で今やお館《やかた》には、二匹の蝶を手に入れようと、苦心
惨澹をしていられる。が、こいつは、馬鹿な話さ。永生とは何か、無限に生きることだ。....
「○○獣」より 著者:海野十三
暗になるほど恐ろしい砂煙をあげてその場に崩潰してしまった。まるで爆撃されたような
惨澹たる光景であった。 「一体、これはどうしたというわけだ」と、駈けつけた人々は....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
だ。食べられたくない赤蛙よりも、これを食べようという先生の方が、より以上に慌しく
惨澹たる悪戦苦闘をするのであった。 孤独の先生は思うに弟子が欲しかったのだ。け....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
、要するに高等浮浪児であり、浮浪児なみにナリフリかまわず横行カッポできないだけ、
惨澹たる経営に浮身をやつしたものであった。 今の大学生は働く意志があって働けな....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
なかったので、とにかくひとつの安心感、すなわち、現在のこのときと、のっぴきならぬ
惨澹たる将来とのあいだに休戦が成り立った、という気もちが、一種の穏かな忘却を与え....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
子『八犬伝』を読むを聞いて戯れに二十首を作る 橋本蓉塘 金碗孝吉 風雲
惨澹として旌旗を捲く 仇讎を勦滅するは此時に在り 質を二君に委ぬ原と恥づる所 身....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
双紙――絵双紙屋――春近しの感――六三掛け 興行困難時代 開場期日――劇場の経営
惨澹――観客ただ一人――明治劇壇の功労者――俳優の共進会――『有喜世新聞』の劇評....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
笑った事があった。『あいびき』の訳文の価値は人に由て区々の議論があろうが、苦辛|
惨澹は実に尋常一様でなかった。 が、余り原文に忠実であり過ぎたため、外国文章の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
が左翼方面に於ては第三軍団は、セント・アルマント村の争奪を繰り返し、戦況は極めて
惨澹たるものがあった。 午後五時頃普将ブリュッヘルは待機中の残余部隊をリーニー、....