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想望
「想望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
想望の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
たと思うと、玄関の扉が片方|開《あ》いた。敬太郎はこの際取次の風采《ふうさい》を
想望するほどの物数奇《ものずき》もなく、全く漫然と立っていただけであるが、それで....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
つまれた火見櫓も物すごい。目もくらむばかりだ。 半蔵が日ごろその人たちのことを
想望していた水戸の藤田東湖、戸田蓬軒なぞも、この大地震の中に巻き込まれた。おそら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い出して泣きます。 碓氷峠のあの風車 誰を待つやらクルクルと その碓氷峠は
想望するのみで、ここから見ることはできないが、小仏峠はすぐ眼前に聳《そび》えてい....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
主義新聞『謀反人』に載せた論文を蒐集したものである。『パンの略取』は理想の社会を
想望したものとして、『謀反人の言葉』は現実の社会を批評したるものとして、ともにク....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
はない、思わざるを思うためにさえもあるものである。すなわち、自己独りではとうてい
想望できなかったような高い、美しいイデーや、夢が他の天才の書を読むことにより、自....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
との聖き交際を思い出さずにはいられませんでした。そして天の甘美とたのしき団欒とを
想望いたしました。 私には他人が私の生活内容のおもなるものとなりつつあることが....