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想見
「想見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
想見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
より外に道が無かったならばどうするかと念を押して見た。自分の前途の惨憺たる有様を
想見するより外に何らの答を為し得ない。 一人の若い衆は起きられないという。一人....
「骨董」より 著者:幸田露伴
ある。そこへ素人が割込んだとて何が出来よう。今この波瀾重畳険危な骨董世界の有様を
想見するに足りる談をちょっと示そう。但しいずれも自分が仮設したのでない、出処はあ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
たマルクス青年の、それが相当新鮮なものであったので、何か颯爽たる風雲児が庸三にも
想見されたと同時に、葉子がいつかその青年と相見る機会が来るような予感がしないでも....
「或る日の対話」より 著者:豊島与志雄
一員に過ぎない。国家を無視して、個人から民族から人類へと眼を走せ、人間の新世紀を
想見する時、そこに於いて、顧みて自己の孤立が感ぜられる。そこには、知人もなく、友....
「古木」より 著者:豊島与志雄
りない。然し、この種の空間は、単に空気と言ってもよいほどのものに過ぎない。俺が今
想見している空間は、なにか神秘な、深いそして高いもの、生命とじかに関わりのあるも....
「空間概念の分析」より 著者:戸坂潤
参照。 *** 位置も亦アリストテレスの範疇の一つである。位置との相異から間接に
想見することが出来るであろう。 **** プラトンのティマイオスに於ける空間(あ....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
作り上げ、しかも自分自身でさえ御像を凝視するのが恐ろしかったような不思議な状態を
想見することが出来る。藤原時代に早くも秘仏としておん扉を固く閉じ奉ることに定めら....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
の美しさは認められるだろう。腹のあたりまでしか出ていぬが、すっくと立った全身の、
想見出来るような姿である。ところが其優れた山の描写が亦、最異色に富んで居る。峰の....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
|淋たり 予譲衣を撃つ本意に非ず 伍員墓を発く豈初心ならん 品川に梟示す竜頭の冑
想見る当年怨毒の深きを 曳手・単節 荒芽山畔路叉を成す 馬を駆て帰来る....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
座候。其師と致候古画に就て、古人如何なる意より如斯筆は生ずるやと、其古人の胸中を
想見し、其意に就て形を求め候はば、違事有まじく被存候。……」 圏点も無用、註....
「妖怪学」より 著者:井上円了
無量の物象を観察し去りて、その裏面に一貫せる理法の中心に洞達し、その実体いかんを
想見するときは、また、この大妖怪に接触することを得べし。そもそもこの大妖怪は、物....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ならず。余は今明治年間残存の江戸浮世絵師が歿年を掲げて浮世絵滅亡の状《じょう》を
想見せんとす。 明治元年 鳥居清満歿 鳥居派五世初名清峰年八十二 明治....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
ょ》は雪と飛び黄葉《こうよう》は秋風《しゅうふう》に菲々《ひひ》として舞うさまを
想見《おもいみ》れば宛《さなが》ら青貝の屏風《びょうぶ》七宝《しっぽう》の古陶器....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ンビーチの対岸に当たる。磯辺を歩する数丁、石と貝とを拾いて帰る。 濠南城外歩声、
想見家山春已尽、緑陰堆裏杜鵑鳴。 (豪州南部の郊外、秋晴れの下を歩けば、黄ばんだ....
「妻」より 著者:神西清
おかげで間もなく私たちの財産は残らず無くなって、私たちは貧乏人になるだろうことを
想見する。しかしそれも私の心を乱しはせず、私は晴れ晴れと彼女に笑いかける。この先どうなるか、それは知らない。....