愁い顔[語句情報] » 愁い顔

「愁い顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愁い顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
つ当りは、横暴ないい付けとなって手近かのものへ落ち下る。彼女はいつもびっくりした愁い顔で「はいはい」といい、中腰駈足でその用を足そうと努める。自分の卑屈な役割は....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
ていた老職多井格之進が、逸早く気配を知って、寒げに老いた姿を見せ乍ら手をつくと、愁い顔の主君をじいっと仰ぎ見守り乍ら、丹田に力の潜んだ声で言った。 「さぞかし御....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
戸水はまだかれませんけれど大恐慌よ、あちこち。もし今年雨がよく降らなければ、と皆愁い顔です、苗代は枯れませんが、これでダーと降ったらすぐぬかないと根がくさるので....
肌色の月」より 著者:久生十蘭
美子の聞きたいのはそんなことではなかった。 「大池さん、どうなの?」 管理人は愁い顔になって、 「お気の毒なことですが、いまところ、まだ……明日中に揚ればいい....
三国志」より 著者:吉川英治
。きょうは首枷をかけて獄に下しておけ」と、ゆるす気色もなかった。 孫策の母は、愁い顔をもって、嫁の呉夫人を訪れていた。 「そなたも聞いたでしょう。策が于道士を....