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「愁い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愁いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
活人形」より 著者:泉鏡花
三年越しの流浪にて、乞食の境遇にも、忘れ難きは赤城の娘、姉妹ともさぞ得三に、憂い愁い目を見るならむ。助くる術は無きことか、と頼母しき人々に、一つ談話にするなれど....
取舵」より 著者:泉鏡花
後四時半、予定に後るること約二時間なり。 陰※たる空に覆れたる万象はことごとく愁いを含みて、海辺の砂山に著るき一点の紅は、早くも掲げられたる暴風|警戒の球標な....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
山一髪是蘇州。 (北の旅の春の夕べ港のほとりに宿泊すれば、愛の海辺の風景は旅人の愁いを消すに価する。雲と水がはるかに広がる眺望の果てに、青山がかすかに見えるのは....
眉の記」より 著者:上村松園
眉目秀麗にしてとか、眉ひいでたる若うどとか、怒りの柳眉を逆だててとか、三日月のような愁いの眉をひそめてとか、ほっと愁眉をひらいてとか…… 古人は目を心の窓と言った....
雛妓」より 著者:岡本かの子
作に、雛妓が頻りにときめかけ、縺れかけている小娘の肉体の陽炎を感ずると、今までの愁いの雲はいつの間にか押し払われ、わたくしの心にも若やぎ華やぐ気持の蕾がちらほら....
食魔」より 著者:岡本かの子
つ当りは、横暴ないい付けとなって手近かのものへ落ち下る。彼女はいつもびっくりした愁い顔で「はいはい」といい、中腰駈足でその用を足そうと努める。自分の卑屈な役割は....
富士」より 著者:岡本かの子
いようである。それを見ている翁は、心中それほどの苦悩もないのだが、眼だけでも峯の愁いに義理を感じて、憂げに伏せてはまた開くのであった。そのうち翁は眼が怠《だる》....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たが、そのうちの二人は僧で、わたくしを拐引してここへ運んで参ったのでござります」愁いを含んで訴える姿は、又なく美しく見えたので、王は悦んで自分の馬へ一緒に乗せて....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
となしかった台所の鯉が俄かにたびたび跳ねあがるのも不思議であるばかりか、女の顔に愁いを帯び、女の声に恨みを含んでいるらしいのが、お徳をいよいよ恐れさせた。あるい....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
風にもまれて海に落つ。(無念の声をふるわせる。)これぞ敗けいくさの前兆と、味方は愁い……敵は勇む。わらわも無念に堪えかねて、扇と共に沈まんかと一旦は覚悟したれど....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
は母をうしなった悲しみの色がもうぬぐわれていた。林之助の胸には、お絹をうしなった愁いの雲が吹きやられていた。二人に取っては楽しい祭りの夜であった。 祭りに騒ぎ....
つばきの下のすみれ」より 著者:小川未明
して、あの夜々に、大空に輝く大好きな星の光を望むことができないのでなかろうかと、愁いましたが、また、やさしいお嬢さまのなさることだと、安心をしていました。 竹....
世間師」より 著者:小栗風葉
らおうかとも思うが、やっぱりどうも恥しくてできない。食を乞うということはよくよく愁いものだ。 「さあ君、金盥が明いたら貸してくんな。」と言われて振返ると、いつの....
深川女房」より 著者:小栗風葉
時からなかなか苦労をし尽して来たんだからね。並みの懐子とは違って、少しの苦しみや愁いくらいは驚きゃしないから」 「それもそうだし、第一金さんのとこへ片づいて、辛....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、ただ一人黙々とすわっているのだった。鋭い観察者は、この男の辛抱づよい顔の上に、愁いと諦めの色のあるのを、きっと読み取ったであろう。当時の世界の、あの狂気沙汰や....