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「愁嘆場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

愁嘆場の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
洋服を着た菊五郎と銀杏返《いちょうがえ》しの半四郎とが、火入《ひい》りの月の下で愁嘆場《しゅうたんば》を出している所です。これを見ると一層あの時代が、――あの江....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
す、ところがよくよく見ると、刺した相手は渡ならで、当の袈裟御前であったところから愁嘆場になって幕となるという大物でしたが、黒子の介添え人こそあれ遠藤武者も、袈裟....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ぶりながら泣いて口説いた。お山という娘も声をたてて泣き出した。 思いもよらない愁嘆場《しゅうたんば》を見せられて、半七ももう仮面《めん》をかぶっていられなくな....
浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
し上げておきました。」 鶏卵を買いに出たという現場不在証明《アリバイ》と、この愁嘆場《しゅうたんば》によって、ブラドンはたくみにクロスレイ夫人はじめ下宿の人々....
一九四六年の文壇」より 著者:宮本百合子
そんな意味でいったのでした。主人公である私生子の少年はそのために非常に苦しんで大愁嘆場が演じられるわけです。そういうふうな物語りが第二回に語られていて作者は、こ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、この世の名残りにせがれに一目あって死にてえとかいうのは、お芝居としちゃあ結構な愁嘆場《しゅうたんば》かも知れねえが、生《しょう》で見せられると根っから栄《は》....
丹下左膳」より 著者:林不忘
な》き伏したので、これを耳にした戸外のお藤、 「なんだい一体! おもしろくもない愁嘆場《しゅうたんば》だよ。また泣きだしゃがった!」 われ知らず口にのぼしてつ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、これがまたたいへんでしてね、流されるほうも送るほうも泣きの涙。眼もあてられない愁嘆場《しゅうたんば》で、送りの同心もつい貰い泣きをすることがあるそうです。……....
美音会」より 著者:佐藤垢石
りを鎮めて、一心に大隅の幅広い顔を見る。この人は一口語ると手布で口を拭う。それが愁嘆場へ行くと非常に頻繁になってついには手に持った手布を打ち振るようなことをする....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
い。名人は畏るべきである」 と記されてあるをもって知れよう。それにしても前述の愁嘆場と同じくこうした呼吸をもって表現するところは速記では全く味わい知るべくもな....
特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
である。昔の子供は疱瘡という大厄を控えていた。旧派の演劇で非業に子を失った母親の愁嘆場には、往々にして「疱瘡も軽く済ましたものを」という繰り言が伴っている。これ....