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愁眉
「愁眉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愁眉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
―少くともなったくらいである。
これを聞いた、山崎、岩田、上木の三人は、また、
愁眉《しゅうび》をあつめて評議した。こうなっては、いよいよ上木の献策通り、真鍮の....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
た。が、別に殿中では、何も粗※《そそう》をしなかったらしい。宇左衛門は、始めて、
愁眉《しゅうび》を開く事が出来るような心もちがした。
しかし、彼の悦びは、その....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
もってせば欣弥|母子《おやこ》が半年の扶持に足るべしとて、渠は顰《ひそ》みたりし
愁眉《しゅうび》を開けり。 されども欣弥は実際半年間の仕送りを要せざるなり。 ....
「乱世」より 著者:菊池寛
二十三日夜五ツ|時期限ニ候其節宗十郎一手ノ内ヲ以テ誘引可有之事 一藩の人々は、
愁眉を開いた。帰順がいれられたからである。が、一藩の人々が
愁眉を開いたと反対に、....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
うようで、一夏養生を続けたならば健康を恢復するだろうと姉夫婦も私も私達の父母も、
愁眉を開いて居たのでありました。が、こうした小康を欣んで居た時、あの怖ろしい運命....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
、そしてあと四、五分のうちに殲滅されてしまうものと思われ、キンギン国軍は、やっと
愁眉をひらいたのであった。 ラック大将は、その後の快報を、待ち佗ていた。もう快....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
。」 「あれ、あんなことをいっていらっしゃるよ。」と嬉しそうに莞爾したが、これで
愁眉が開けたと見える。 「御一所に帰りましょうか。」 「別々に行こうよ、ちっと穏....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
ヤツ子にバスの切符を買ってもらう。帰京の旅費があるのを見とどけたから、信二は
愁眉をひらいた。駅前へつくと、信二はヤツ子に一礼して、 「村に重要な約束があるの....
「眉の記」より 著者:上村松園
眉目秀麗にしてとか、眉ひいでたる若うどとか、怒りの柳眉を逆だててとか、三日月のような愁いの眉をひそめてとか、ほっと
愁眉をひらいてとか…… 古人は目を心の窓と言ったと同時に眉を感情の警報旗にたと....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ラそう、それじゃ替えようかしら」 「それがいい、つき替えねえ」 米八はいくらか
愁眉をひらき、チラリと鏡を覗いてから、次郎吉の方へ膝を向けた。 「まだあるのよ、....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
った。 この公演は経済的には頗る恵まれなかった。けれども、その前途に対してやや
愁眉を開きうる見極めがついたので、その内容の充実をはかることが何よりの急務となっ....
「孟母断機」より 著者:上村松園
、字を書く遊びをしたり、礼儀作法の真似をしてたのしんだ。 孟子の母は、はじめて
愁眉をひらいて、そこに永住する決意をしたのである。 世に謂う孟母三遷の有名な話....
「縮図帖」より 著者:上村松園
の方角が変って三軒ほど焼けたが私の家まで火の手はのびて来ないですんだ。私はやっと
愁眉をひらいて風呂敷づつみを下に置いた。 縮図帖の束は風呂敷につつまれたまま一週間ほど部屋の一隅を占めていた。....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
途次、余を訪いたる甥の政利も、その隊に加わらむとせり。余無事に旭川に戻りて、甥は
愁眉を開き、有志も安心せり。然るに余の郷里の新聞に転載し、なお筆を舞わして、多年....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
でに去り、石炭も不足せざる見込み立ちたれば、救助船を謝絶せりというを聞きて、みな
愁眉を開く。 一月二十一日(日曜)、晴れ。午前より黒潮にかかるも、風静かに波ま....