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意に満たない
「意に満たない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意に満たないの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古き小画」より 著者:宮本百合子
、儂の役を引受けた。」スーラーブは自分の傍に立っている家臣を見た。何か不満足な、
意に満たない感じが彼の胸に湧いた。けれども物々しいその場の有様が、彼に沈黙を守ら....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
などにも愛せられていたのであるが、余りに抱負が高尚で卒業の論文を書いても書いても
意に満たないで、卒業はさせられたものの、また再びふらふらとした気分になった。その....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かったのね。面白いことは、漱石が作家的、また人間らしい稟質の高さから、この作品の
意に満たないところを直感しながら、その不満の拠りどころを型式美学に持って行ったと....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
謝しているし、君もたぶん兄に好意を持っているだろう。それはそれでよい。だが、僕の
意に満たないのは、兄が役人になったことだ。政府の役人になったことだ。これからも、....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
というのは、それに手をつけようとして、すでに書き終った分を読みかえしてみた結果、
意に満たない箇所が非常に多く、そのままで稿をつづけることに全く厭気がさして来たか....
「日記」より 著者:宮本百合子
全集を買ったので二冊になったから送ってあげる。 あの先生の訳は矢張り或点に於て
意に満たない所が多い。それかと云って、久米氏の訳もなんだかそぐわない気もするが。....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
者をコントロールしている。某雑誌では、作者に原稿を依頼しておいて、作品が編集者の
意に満たないと二度でも三度でも書き直しを要求するということである。そして、作者は....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
していた。その頃、二葉亭の交際した或る文人が或る雑誌に頼まれて寄稿した小説が頗る
意に満たないツマラヌ作であるを頻りに慚愧しながらも、原稿料を請取ると大いに満足し....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
、英国のセネートアの堂々たる生活ぶりから期待したとは打って変った見窶らしい生活が
意に満たないで、不満のある度に一々英国公使に訴え、公使がまた一々取次いで外相井侯....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
は世の中を駆けて通った。そしてあらゆる歓楽を、
髪を攫んで引き寄せるようにした。
意に満たないものは衝き放し、
手を脱れたものは勝手に逃がし、
ただ望を掛けては、....