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意中の人
「意中の人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意中の人の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
げておぬいさんを見上げ見おろした。その時、ふと考えついたのは、おぬいさんがすでに
意中の人を持っているなということだった。恋に酔っている女性ほど、他の男に対して無....
「行人」より 著者:夏目漱石
》にその瞬間を捉《とら》える注意を怠《おこた》らなかった。けれどもその女も三沢の
意中の人も、ついにこっちを向かなかった。自分はただ彼らの容貌《ようぼう》を三分の....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ごとく暗記している。男女間の交際だってそうさ、僕の小供の時分などは寒月君のように
意中の人と合奏をしたり、霊の交換をやって朦朧体《もうろうたい》で出合って見たりす....
「新生」より 著者:島崎藤村
その晩から岸本は岡の胸の底に住む秘密を知るように成った。この男の熱意も、誠実も、
意中の人の母や兄の心を動かすには足りなかったことを知るように成った。堅く相許した....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
た謀殺事件である。これと、一寸、女の家とが関係があったので、婚期を失したし、又、
意中の人として、木谷蓬吟氏を思うていて、ままにならなかったし、その為、こういう齢....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
、一たびその身に会せんため、一|粒の飯をだに口にせで、かえりて湿虫の餌となれる、
意中の人の窮苦には、泰山といえども動かで止むべき、お通は転倒したるなり。 「そん....
「菜穂子」より 著者:堀辰雄
療養所の近くを今と同じような速力で通過することを思い描きながら。…… 生れつき
意中の人の幻影をあてもなく追いながら町の中を一人でぶらついたりする事の出来なかっ....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
楽家の顔を穴のあくほどじっと見つめているのだそうだよ。それがもうかれこれ十年来の
意中の人なのだそうだ。」 「あの女にもそんな話がね。」K君はうなずいていた。 ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
地に粘す 血雨声無く紅巾に沁む 命薄く刀下の鬼となるを甘んずるも 情は深くして豈
意中の人を忘れん 玉蕭幸ひに同名字あつて 当年未了の因を補ひ得たり 犬....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
っちゃ!」 ところがこの共同相続人たるや、自分がカテリーナ・リヴォーヴナやその
意中の人にとって、それほど目の上のたん瘤だろうなどとは露知らず、あどけない仔山羊....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
ば、不肖光秀が、再び牢人いたして、密かにお使いいたしてもようござるが」 「して御
意中の人とは」 「小国なれど、尾張の織田|上総介信長公。あのお方を除いては、今、....