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意企
「意企〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意企の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「石狩川」より 著者:本庄陸男
いるのが阿賀妻らの立場である。明るみから暗いところへ、曲りなりにも緒についた官の
意企に従って、そう――微《かす》かながらも植えつけられた文明の場所から、彼らは進....
「ジイドとそのソヴェト旅行記」より 著者:宮本百合子
れず、納得しかねるのではあるまいか。 ジイドは、パウロからサウルへ転身しようと
意企していたであろうか。もしまた、意図せざる結果として、客観的には人類の進歩性を....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
作品がある。いずれもこれ等の作品は素材の広汎さ、行動性、溌溂さを求めている作者の
意企がうかがわれるにもかかわらず、共通にそれらの作品の現実をつきつめて見ると作者....
「作家に語りかける言葉」より 著者:宮本百合子
していよいよ第三者的たらざるを得ない。」作者と作品との正常な関係は、作者の熱意と
意企が、書こうとする対象に文学として明瞭な表現形式を与えようとする創作過程を、同....
「作家への課題」より 著者:宮本百合子
さまざまのタイプを描こうとして、馬喰兼太、阿部、サダのおふくろなどをとらえている
意企は明瞭である。 然しながら、それらの個々の人物とその行動とをいきいきと生か....
「十月の文芸時評」より 著者:宮本百合子
ましてや、こんにちの嶮阻な時代と闘う人間の情熱、複雑困難な現実を把握しようとする
意企から芸術的均衡が破れているというようなのは見当らない。多くの作品は、共通に、....
「作品のテーマと人生のテーマ」より 著者:宮本百合子
得ゆくように一人の人間の内的推移の跡を示しているとはいえないのである。 作者の
意企は、魚住を中心として、感化院の教師間の生活葛藤を描くところにあったことは明瞭....
「現代文学の広場」より 著者:宮本百合子
その意識性は、現在大部分がそこに陥っているように商品としての独自性を形成してゆく
意企として存在するばかりではないはずである。 私小説的リアリズムを否定したから....
「愛は神秘な修道場」より 著者:宮本百合子
い。つつましい、引しまった、鋭い精神の上に、徐々日の出のように方向が見え、自分の
意企が輝いて来たら、嬉しさではしゃいではいけない。じっと心を守り、余分な精力と注....
「家庭創造の情熱」より 著者:宮本百合子
家庭のくつろぎ、居心地よさというものを、その人のよさ、ねうち、生活への美しい
意企を誰よりも深く理解しあった者同士が感じ合える、その味いとしないで謂わば手ばな....
「逆立ちの公・私」より 著者:宮本百合子
、その話をきいたとき、わたしは、それは面白い話題のつかみかただと思った。提案者の
意企は、どういうところにあったか知らないけれども、今日の日本の現実と向い合ってこ....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
であってはならないのは当り前で、わざわざ之を「純粋」にするのに却って何かの不純な
意企を蔵しているに外ならない(例えば「純粋経済学」とか「純正社会学」とかの如き)....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ない。歴史的社会の現実は人間の所産に相違はないが、個人や任意の人間群の観念主義的
意企や願望から独立な客観性を有っている。歴史的社会は人間の随意な精神力によって運....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
んみりとお艶に物語ったところは。
栄三郎へかたむけた自らの恋ごころ。亡父鉄斎の
意企《たくらみ》。夜泣きの大小の流別。おのが病のこと……など、など。
そして、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。こういう私の心持は勿論分って下さるでしょう? 私としては、特に、私として自分が
意企しなかったキッカケから、そういうことが貴方に思いつかれたことが、何だか遺憾で....