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「意力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

意力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
い祈りの声が涙にしめって確かに……確かに聞こえて来る。葉子は眉《まゆ》を寄せて注意力を集注しながら、木村がほんとうにどう葉子を思っているかをはっきり見窮めようと....
或る女」より 著者:有島武郎
しかしあれでいて、米国くんだりから乗って行った船で帰って来る所なぞには、粘り強い意力が潜んでいるようにも思えた。平凡な青年ならできてもできなくとも周囲のものにお....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
いっさいの生命がその新らしき希望と活動とを抑制せらるる時である。人性本然の向上的意力が、かくのごとき休止の状態に陥ることいよいよ深くいよいよ動かすべからずなった....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
然都会の臭味から免疫されて、過敏な神経や過量な人為的知見にわずらわされず、強健な意力と、強靱な感情と、自然に哺まれた叡智とをもって自然を端的に見る事のできる君の....
海底大陸」より 著者:海野十三
心を感じると、かれらはラジオや新聞の上でかねて好奇心をわかせていたものの方へ、注意力をうつしはじめた。 「おお、海底大陸のロロー殿下を見せてもらいたい」 「そう....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
見惚《みと》れていることが出来なかった。というのは、残るもう一人の人物が、彼の注意力の殆んど全部を吸取ってしまったからである。そのことは、田鍋課長にとっても亦《....
怪星ガン」より 著者:海野十三
とさわいでいるのだ。 しかるにスコール艇長は、平気のへいざでテッド博士の話に注意力のはんぶんをさき、のこりの注意力を機関室の壁や床や天井のほうへそそいでいるの....
海底都市」より 著者:海野十三
の赤ん坊のことだがね。とにかく昔の人間は実に哀れなものだった。眼前の実在のみに注意力や情熱を集中して、遙かなる未来世界について夢を持つことをしらず、従ってその夢....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
一の予期したとおりであったので、彼はほっとした。かの刑事が立去る後姿を、貫一は注意力を傾けて見ていたが、それは満足すべきものであった。なぜなれば、もし彼の刑事が....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
ていることにして、しきりに暗視テレビジョンのちょうしをかえながら艇外へするどい注意力をあつめている。 ああ、宇宙の墓場。 そこは重力平衡圏というのが、ほんと....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
あったけれど、あまりたびたびテレビジョンに顔を出しては、望月大尉や、山岸中尉の注意力をそぐおそれがあると思って、必要なとき以外はなるべく顔を出さないようにしてい....
火星兵団」より 著者:海野十三
た。 穴の中からもれて来る話声は、たいへんかすかであった。新田先生は、全身の注意力を耳にあつめて、それを聞きとろうとつとめた。 だが何を話しているのか、先生....
」より 著者:池谷信三郎
て行きましょう。 それから若い医学士は、被告の意識、学力、記憶力、聯想観念、注意力、判断力、感情興奮性等に関して、いろいろ細かい精神鑑定を行った。 女を一番....
妖怪学」より 著者:井上円了
ば、睡眠中あらわるる意識の作用なりと答え得れども、通常の意識とは大いに異にして、意力の支配を受けざる思想の作用なり。換言すれば、起動する思想を意力にて制限せず、....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
第五は激動より生じ、第六は錯雑より生ずるなり。 まず第一の事情を述ぶるに、従来意力を用いてなしたることも、多年その一事をもって習慣となすときは、自らこれを識覚....