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「意嚮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

意嚮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
勿論出来るだけ、こう云う争いを起させまいとした。が、彼等は彼等自身のために、彼の意嚮《いこう》には頓着なく、ほとんど何事にも軋轢《あつれき》し合った。そこには何....
あらくれ」より 著者:徳田秋声
が悪かった。そして養父から、善く働く作を自分の婿に択《えら》ぼうとしているらしい意嚮《いこう》を洩《もら》されたときに、彼女は体が竦《すく》むほど厭《いや》な気....
花火」より 著者:太宰治
へ行くのだという希望だけは牢固《ろうこ》として抜くべからざるものがあった。両者の意嚮《いこう》の間には、あまりにもひどい懸隔《けんかく》があるので、母は狼狽《ろ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
》も金助の養子にしてもろたらどんなもんじゃけんと、渋い顔をして意見を述べ、お君の意嚮を訊くと、 「私《あて》でっか。私《あて》は如何《どない》でもよろしおま」 ....
新生」より 著者:島崎藤村
の上京を促しているということなどを綜《あつ》め合せて見ると、そこに岸本は義雄兄の意嚮《いこう》を読んだ。兄弟の縁を絶ってまでも節子に岸本のことを思い切らせようと....
縮図」より 著者:徳田秋声
れず荊棘の行く手を前に望んで、何となし気が重かった。 二日ほどすると、親たちの意嚮をも確かめるために、桂庵が請地の家を訪れ、暮の餅にも事欠いていた親たちに、さ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
とか、揶揄的に皮肉くるとかいう種類ではなかった。その日も一応電話をかけて、庸三の意嚮を確かめてからやって来たのであった。 「もし先生がお差支えないようでしたら。....
新世帯」より 著者:徳田秋声
な気もした。新吉はお作がこのまま帰って来ないような気がした。お作はとにかくに衆の意嚮がそうであるらしく思われた。 新吉は小使いを少し持たして、滋養の葡萄酒など....
」より 著者:徳田秋声
ないようだ。」 ひそひそした話し声がしばらく続いていた。やがて二人はほぼ笹村の意嚮をも確かめて帰って行った。 「へえ……お気の毒ですね。」 お銀は客の帰った....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
する生活であるならば、絶えず他の者の向背によって動揺しなければならない。他の者の意嚮を顧眄しなければならない。それは今の自分のもはや堪え得るところではない。自分....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
うのである。単純素朴で古風な民謡のにおいのする歌である。「船はとどめむ」はただの意嚮でなく感慨が籠っていてそこで一たび休止している。それから結句を二たび起して詠....
」より 著者:織田作之助
豹一も金助の養子にしてもろたらどんなもんじゃけんと、渋い顔して意見を述べ、お君の意嚮を訊くと、 「私でっか。私はどないでもよろしおま」 金助は一言も意見らしい....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
反逆については?」 「それとてよくはござらぬな。しかし、大勢というものは、多数の意嚮に帰するものでござる。天下は一人の天下ではなく、即ち天下の天下でござる、いや....
正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
生活に分裂を来たし脅威することゝなった。出版圏内の限られたことと、この際、衆俗の意嚮と趣味を無視することのできない資本主義から、ます/\作品の商品化をよぎなくす....
婚期はずれ」より 著者:織田作之助
まで半年待った。こんどの談は永助に来て、先方は表具屋の娘だったから、これも永助の意嚮を訊かぬうちに有耶無耶になった。仲人はしかし根気良く三度運んだのだった。けれ....