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意地
「意地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
い。阿濃《あこぎ》自身も、この事だけは、全く口をつぐんでいる。たとえ盗人たちが、
意地悪く子の親を問いつめても、彼女は両手を胸に組んだまま、はずかしそうに目を伏せ....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
て見れば、彼の屈辱を蒙《こうむ》ったことは枚挙し難い位だった。自尊心の強い信輔は
意地にも彼自身を守る為に、いつもこう言う屈辱を反撥《はんぱつ》しなければならなか....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
かならない。
そこで内供は日毎に機嫌《きげん》が悪くなった。二言目には、誰でも
意地悪く叱《しか》りつける。しまいには鼻の療治《りょうじ》をしたあの弟子の僧でさ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
私はそのときの平太夫の顔くらい、世にも不思議なものを見た事はございません。あの
意地の悪そうな、苦《にが》りきった面色《めんしょく》が、泣くとも笑うともつかない....
「河童」より 著者:芥川竜之介
なことをしているうちにかれこれ十分はたったでしょう。その間《あいだ》にどこまでも
意地の悪い霧はいつかほのぼのと晴れかかりました。僕はパンをかじりながら、ちょっと....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
た。
「この家《うち》だって沢山ですよ。婆やと私と二人ぎりですもの。」
お蓮は
意地のきたない犬へ、残り物を当てがうのに忙《いそが》しかった。
「そうなったら、....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
る女を。」
僕は誰にでも急《せ》っつかれると、一層何かとこだわり易い親譲りの片
意地を持合せていた。のみならずそのボオトの残した浪はこちらの舟ばたを洗いながら、....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
っとお母さんは、慎ちゃんの顔がただ見たかったのよ。」
慎太郎は姉の言葉の中に、
意地の悪い調子を感じた。が、ちょいと苦笑したぎり、何ともそれには答えなかった。
....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
ていると云う事は、――彼自身に対してはやはり好意を持っていないと云う事は、彼等の
意地悪《いじわ》るそうな眼の中にも、明かによめる事実であった。
それでも彼は相....
「少年」より 著者:芥川竜之介
母さん」などと云った覚えはない。それを云ったように誣《し》いるのはいつもの川島の
意地悪である。――こう思った彼は悲しさにも増した口惜《くや》しさに一ぱいになった....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ば用もないのに、――」
支那語の出来る副官は、血色の悪い支那人の顔へ、ちらりと
意地の悪い眼を送った。
「いや、用はあるのです。今も申し上げた通り、私《わたくし....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
心の近習《きんじゅ》から、林右衛門に伝えられた。
「よいわ。この上は、林右衛門も
意地ずくじゃ。手を拱《こまぬ》いて縛り首もうたれまい。」
彼は昂然として、こう....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
を幸と、まん中の座席へ腰を下したそうです。すると一時恢復したように見えた疲労が、
意地悪くまだ残っていたのか、新蔵は今更のように気が沈んで、まるで堅い麦藁帽子《む....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
た。が、同時にまた相手の酔うことを心配しずにもいられなかった。 「何しろあいつは
意地っぱりだったからなあ。しかし死ななくっても善いじゃないか?――」 相手は椅....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
してやった。だが、処罰が二人前になって十分にふりかかるのは、生意気な、頑丈な、片
意地な、尻の大きいオランダ人の腕白小僧だった。そういう子供は、鞭のもとで、すね、....