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「意外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

意外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
。」 彼等は竈に封印した後、薄汚い馬車に乗って火葬場の門を出ようとした。すると意外にもお芳が一人、煉瓦塀《れんがべい》の前に佇《たたず》んだまま、彼等の馬車に....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
書物を閉じながら、無愛想にこう問いかけた。云うまでもなく私には、彼の唐突な訪問が意外であると共に腹立しかった。と同時にまた別荘番が一言《いちごん》もこの客来《き....
」より 著者:芥川竜之介
前を呼んだ。 するとその途端《とたん》である。高い二階の室《へや》の一つには、意外にも眩《まぶ》しい電燈がともった。 「あの窓は、――あれは、――」 陳は際....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
早いか、何よりも先に『どうした。体でも悪いのじゃないか。』と尋《たず》ねたほど、意外な感じに打たれました。が、彼は反《かえ》って私の怪しむのを不審がりながら、彼....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
。」 その声が夜空に消えた時、桶の上にのった女は、ちらりと一同を見渡しながら、意外なほどしとやかに返事をした。 「それはあなたにも立ち勝《まさ》った、新しい神....
河童」より 著者:芥川竜之介
うに僕を振り返って見ているのです。それは不思議でもなんでもありません。しかし僕に意外だったのは河童の体《からだ》の色のことです。岩の上に僕を見ていた河童は一面に....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
んぱか》って、左近の俗名《ぞくみょう》は洩《も》らさずにいた。すると寺の本堂に、意外にも左近と平太郎との俗名を記した位牌《いはい》があった。喜三郎は仏事が終って....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
の目《もく》ろみに承知すると云う返事をした。が、己にはその返事の容易だったのが、意外だったばかりではない。その袈裟の顔を見ると、今までに一度も見えなかった不思議....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
あ》かい? 嚊とも近々別れる筈だよ。」 牧野の口調《くちょう》や顔色では、この意外な消息《しょうそく》も、満更冗談とは思われなかった。 「あんまり罪な事をする....
おぎん」より 著者:芥川竜之介
いたから、話をする勇気も出なかったのである。 すると突然一同の耳は、はっきりと意外な言葉を捉《とら》えた。 「わたしはおん教を捨てる事に致しました。」 声の....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
いる。彼は人ごみに交《まじ》りながら、ふとその汽車を降りる人を眺めた。すると――意外にもお嬢さんだった。保吉は前にも書いたように、午後にはまだこのお嬢さんと一度....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
あとに半之丞。〔これは辞世《じせい》でしょう。〕おまつどの。」 半之丞の自殺を意外《いがい》に思ったのは「な」の字さんばかりではありません。この町の人々もそん....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
うな感じがあった。 事実を云えば、その時の彼は、単に自分たちのした事の影響が、意外な所まで波動したのに、聊《いささ》か驚いただけなのである。が、ふだんの彼なら....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
った。 「悲しくなかったら、どうかしていらあ。」 「嘘じゃない。」 兄の声には意外なくらい、感情の罩《こも》った調子があった。 「お前はいつでも小説なんぞ読ん....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
開いてある、――その下へ仰向きに倒れているのは、あの印度人の婆さんです。婆さんは意外にも自分の胸へ、自分のナイフを突き立てたまま、血だまりの中に死んでいました。....