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意志的
「意志的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意志的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
る変化はただ私の生命の緊張度の強弱によって結果される。これは智的活動、情的活動、
意志的活動というように、生命を分解して生活の状態を現わしたものではない。人間の個....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
い昔の事のように思われて、すっとからだが軽くなった。あきらめるとか何とか、そんな
意志的なものではなくて、眼前の風景がみるみる遠のいて望遠鏡をさかさに覗いたみたい....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
けて、本棚を飾り直した。額の絵も、ピエタのかわりに、ダヴィンチの自画像をいれた。
意志的に強いものが欲しかったからだ。鵝ペンを捨てた。少女趣味を排除したかったのだ....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
て前章に述べた事をここで再び繰り返し考えてみると、私はこのルクレチウスの元子の任
意志的偏向のうちに、その求むる原理の片鱗のごときものを認めうるのではないかと思う....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
少し厚手の唇を洩れ、時々見える歯並びのよさ、老人などとは思われない。角張った顎も
意志的である。顔色は赧く小皺などはない。身長《みたけ》高く肉附きよく、腰もピーン....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
交渉として、或いは単に利用厚生の仕方として、思い浮べてはならない。実際人々は単に
意志的であることを、又は単に主知的でないことをさえ、軽々しく実践的と考えはしない....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
。 さて一方こういう通念としての社会常識は、事実に於ては一定×××××の感情的
意志的又理論的な表現としての××××に他ならないのだが、従って当然それに対立する....
「辞典」より 著者:戸坂潤
られていると考えられる。 最後に、観念乃至意識は、知的なものと考えられる場合と
意志的なものと考えられる場合とがある。前者は主知主義(Intellektuali....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
なさに、死なゝければなりません」 ヤス子は黙然と無表情であったが、やがて始めて
意志的に笑おうとつとめて、 「私、そんなお言葉を承るには馴れていないものですから....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
すぎない。 この恣意的なところが一番よく似ているのは宗教である。中毒に多少とも
意志的なところがあるとすれば、眠りたいから催眠薬をのみたい、苦しいから精神病院へ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
いを心苦しそうに、眉をひそめて聞いていた浪江が、優しい性質を裏切ったような、強い
意志的の口調で云った。 「妾は品物ではございません。妾は人間でございます。妾は妾....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
幸福以上の何ものかを、探し求めようとしている。かくて彼の闘いは、次第に、理性的、
意志的、道義的になって行くのである。 * では、かような変化が、彼に....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
ろんこれも、日本の大衆の一性格ではありましょうが、比較的知的な作業のなかに、或は
意志的な行動のなかに、常にそれを持ち込まなければ承知できない自称インテリの思想と....
「荘子」より 著者:岡本かの子
とは彼が感情家らしいことを現わして居る。そうかと思えば強い高い鼻や岩のような額は
意志的のもののようにも見える。全体からいっていろいろなものが錯綜し相剋し合ってい....
「独逸の範とすべき点」より 著者:国枝史郎
している。古い形式とされていた独白を平気で使って却って効果を持来たしている。万事
意志的である。 この表現主義文学があらわれるや、世界中の文学者は大なり小なり夫....