意気込む[語句情報] »
意気込む
「意気込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
意気込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:太宰治
遊ぼう。」 と私がそのひとに言った時に、 「あまり遊べない人に限って、そんなに
意気込むものですよ。ふだんケチケチ働いてばかりいるんでしょう?」 とそのひとが....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
きに物語る。そうして、たいてい失敗する。けれども末弟は、絶望しない。こんどこそと
意気込む。お正月五日間のお休みの時、かれらは、少し退屈して、れいの物語の遊戯をは....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を促す申請書を出す。村会に於てはまた、大多数を以て墓地排斥の建議案を通過するぞと
意気込む。それから連判の陳情書を東京府庁へ出すとて余にも村民の一人として賛成を求....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ますだが……」 「そうか、それは幸い。あの試合で兄上と竜之助の勝負は」 兵馬の
意気込むにつれて与八はしょげ返り、 「あの勝負は竜之助様が勝って文之丞様が負けた....
「杉垣」より 著者:宮本百合子
、 「それとは別個に、今度は僕も大いにやるぞ」 慎一は思わず笑った。 「ひどく
意気込むじゃないか」 函館でばかり暮した五六年のうちに、学生時代からどっちかと....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
手は一人ぞ。女のほかは斬り棄つるとも苦しからず。かゝれ/\と刀柄をたゝけば、応と
意気込む覚えの面々、人甲斐も無き旅僧一人。何程の事やあらむと侮りつゝ、雪影うつら....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
え》の三隊は手薬錬《てぐすね》ひいて粛として、政宗来れかし、眼に物見せて呉れんと
意気込む。先手は先手で、分際知れた敵ぞや、瞬く間に乗取れという猛烈の命令に、勇気....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「助かりますか」 「助かる!」 「どうか助けてやっておくんなさいまし」 老人は
意気込む。 「あたりまえの野郎なら、助かりっこのねえところだが、この野郎のは助か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
んな芝居をしているかどうかは知れないが、見ている者にはそうとしか見えない。捕手が
意気込む時には、手拭を持つ七兵衛の拳《こぶし》が緊張し、捕手がひるむ時には、七兵....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
憎みました。よし、それならば我々の手で直接に突留めて、南条の鼻を明かしてやろうと
意気込むものもありました。 「なにも、そうムキになって拙者を責めるには及ぶまい、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
おかしいぞ」 米友は暫くその刀を見ていたが、柄に手をかけて、引き抜いて見ようと
意気込むところを後ろから、 「危ない、危ない、怪我をするからよせ」 手を伸ばし....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
よりももっとひどい病気ととりくんでいる人の忠言は大事です。どうもありがとう。変に
意気込むようなことはないから、御安心下さい。たかをくくってもしまいませんし。この....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
じ、みやびたる心は少しもなくて、学者、宗教家、文学者、政治家の類を一笑し倒さんと
意気込む人の息気をいう、ドルの文字はまたアメリカ帰りの紳士ちょう意をも含めり。詳....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
りませんか。あたかも敗北を宣言するのを名誉とでもしてるがようです。それほど失敗に
意気込む者が他にあるでしょうか。あなたは戦争をされたのですが、そんなのが戦いの仕....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
、出て行った跡がねえんだから犯人はたしかにまだこの屋根の下に――。」 味噌松は
意気込む。藤吉も立ち上った。 「だが、現場は離れた蔵だのに、足形付けずにどうして....