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愚人
「愚人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愚人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
の一生である。そうしてまた日本の殉教者中、最も私《わたくし》の愛している、神聖な
愚人の一生である。
(大正八年八月)....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
ます。宗教、信仰、経済に関係なしと唱《とな》うる者は誰でありますか。宗教は詩人と
愚人とに佳《よ》くして実際家と智者に要なしなどと唱うる人は、歴史も哲学も経済も何....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
休息、睡眠すべて困難なり。我らは、この囹圄《れいご》より脱する能わず。泣かんか、
愚人のごとし。笑わんか、悪漢のごとし。嗚呼《ああ》、我らは黙して已《や》まんのみ....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
らその間に己《おのれ》で己《おのれ》に帰っていうに「トーマス・カーライルよ、汝は
愚人である、汝の書いた『革命史』はソンナに貴いものではない、第一に貴いのは汝がこ....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
礎と為したれば也、之に反し凡て我がこの言を聴きて之を行わざる者は砂の上に家を建し
愚人に譬えられん、雨降り大水出で、風吹きて其家に当りたれば終に倒れてその傾覆大な....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
っては、被害者達の魂は浮ばれようもないではありませんか。 昔、ある伊太利人は『
愚人聖職に上り、ガリレオ獄中に在り』と云って嗟嘆したそうでありますが、もしも天国....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を罵りました。劉は黙ってそのまま帰って来ましたが、あとで張に話しました。 「彼は
愚人で道理を識らないから、私がすこしく懲らしてやります。さもないと、土地の神霊の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。かの徒らに暗中に摸索し神学的虚構物につきて好事的詭弁を弄するが如きは、正に
愚人の閑事業たるに過ぎない。われ等は飽まで、現実の生活に即して教を樹てる。要約す....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
して他に良法のあるべきを信じない。 三 予はこう思ったことがある、茶人は
愚人だ、其証拠には素人にロクな著述がない、茶人の作った書物に殆ど見るべきものがな....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
が端敵になると、それはそれはいろいろな憎むべきことをする。併し舞台以外ではまるで
愚人と同様で、例外なしに善人である。それと同じ訣で、元来舞台の上では善人である筈....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
して頂くならば私の至幸とするところである。 尚、百喩経は、仏典の比喩経のなかの
愚人(仏教語のいわゆる決定性)の喩えばかりを集めた条項からその中の幾千を摘出した....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
意とする時遷のような雑輩を除いても黒旋風のような怒って乱暴するほかには取柄のない
愚人もあるが、八犬士は皆文武の才があって智慮分別があり過ぎる。その中で道節が短気....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
った。が、ドウしてYに対してのみ寛大であったろう。U氏は「沼南は不可解だ、神|乎
愚人乎」とその後しばしば私に話したが、私にも実はマダ謎である。 沼南が議政壇に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
らゆる美徳、技能、智識を備えた円満無欠の人格者になる種子であります。それは賢人、
愚人、善人、悪人、男性、女性、大人、子供の差別なく、みな平常に持っている種子であ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
を与えざるのみか、かえってその鉢を打ち破ったので悪死の報いを得たとか、奈良故京の
愚人が乞食僧を凌辱して、たちまちその呪縛に遇ったとかいう類の噺が、この書にはたく....