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愚作
「愚作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愚作の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
マゾフと云いましたな。その人の小説は巧《うま》いんですか?」
「まあ、ことごとく
愚作ですね。」
「しかしマゾフと云う人はとにかく興味のある人格なんですな?」
「....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
説の傑作は沢山あるじゃないか。」「それだけまた、後世《こうせい》にのこらなかった
愚作の数も、思いやられると云うものさ。」)
そう話がわかっていれば、大に心づよ....
「乞食学生」より 著者:太宰治
僧にまで、せせら笑われているのだ。ついに貴重な紙を、どっさり汚して印刷され、私の
愚作は天が下かくれも無きものとして店頭にさらされる。批評家は之《これ》を読んで嘲....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
であって、まことは弱く、とても優しい。弟妹たちと映画を見にいって、これは駄作だ、
愚作だと言いながら、その映画のさむらいの義理人情にまいって、まず、まっさきに泣い....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
俺は巻頭に載せられた山野の小説「顔」を、恐る恐る読んだ。俺はそれが不出来で、
愚作で全然彼の失敗であることを祈りながら読んだ。が、その一分の隙のない、まとまっ....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
学校の帰り、目黒キネマに寄って、「進め竜騎兵」を見て来た。つまらなかった。実に
愚作だ。三十銭損をした。それから、時間も損をした。不良の木村が、凄い傑作だから是....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
響きも出て来て、そんなに嘲笑されずにすむかも知れぬ、などと小心|翼々、臆病無類の
愚作者は、ひとり淋しくうなずいた。 昭和十一年十月十三日から同年十一月十二日ま....
「映画と生理」より 著者:寺田寅彦
会場から車を飛ばしてどこかの常設映画館に入場することである。上映中の映画がどんな
愚作であってもそれは問題でない、のみならずあるいはむしろ
愚作であればあるほどその....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
後に子供等が引続きまして松山の家を立てまする。御徒町の腹切と人の噂を聞きまして、
愚作なれど一冊のお話に纏めました、松と藤のお話でございますが、先ずこれで全尾でございます。 (拠酒井昇造、佃與次郎速記)....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
屋を致して居ると云うことを、五町田の百姓から私が聞いて参りました、其の儘取纒めた
愚作でございますが、此のお話はこれで読切りに相成ります。へい御退屈さま。 (拠酒井昇造速記)....
「弱者の糧」より 著者:太宰治
は無い。 私は、たいていの映画に泣かされる。必ず泣く、といっても過言では無い。
愚作だの、傑作だのと、そんな批判の余裕を持った事が無い。観衆と共に、げらげら笑い....
「推理小説論」より 著者:坂口安吾
に楽にはいりうるものである。特に「蝶々殺人事件」は傑作であり、終戦後の作品には、
愚作がすくない。最もつまらないのが「本陣殺人事件」で、「蝶々」をおさえて「本陣」....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
十回でまとめると変テコな小説になってしまう。読者のウケがわるいたって、小説として
愚作だとは作者は思っていない。しかし、あと二十回でまとめると、小説としても
愚作に....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
内君である。 有体にいうと、坪内君の最初の作『書生気質』は傑作でも何でもない。
愚作であると公言しても坪内君は決して腹を立てまい。私が今いうと生意気らしいが、私....
「三百年後」より 著者:小倉金之助
に、つまらないものをも批判するつもりなのだ。立派な作品がその時代を代表するなら、
愚作もまたその時代を代表する権利を持っている。
愚作の意味を認め得ないような歴史家....