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愚僧
「愚僧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愚僧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
ます。そこで恵印はわざと悠々と、もう朝日の光がさし始めた池の方を指さしまして、『
愚僧の申す事が疑わしければ、あの采女柳《うねめやなぎ》の前にある高札《こうさつ》....
「兄たち」より 著者:太宰治
た。兄は、やがて小さい珠数《じゅず》を手首にはめて歩いて、そうして自分のことを、
愚僧、と呼称することを案出しました。
愚僧は、
愚僧は、とまじめに言うので、兄のお友....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ちのしるしでござりますはず、ご住職でありましょうな」 「恐れ入りました。いかにも
愚僧、当寺の住職|蓮信《れんしん》と申す者でござります。あなたさまは?」 「八丁....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
っかりしろ」いきなり土門が肩を敲いた。「しょんぼりする手はさらにないと思うがね。
愚僧なんかには、なんでそんなに面白くない顔をするのか、わかり、や、せんね。良い恋....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
」 老僧は、かなり急き込んだ。 惟念は、努めて微笑さえ浮べながらいった。 「
愚僧は、今申した山村武兵衛の倅、同苗武太郎と申したものじゃ。御身を敵と付け狙って....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
のうた。 (かつらは誇りがに見かえりて、庭に降り立つ。) 僧 やれ、やれ、これで
愚僧もまず安堵いたした。夜叉王どの、あすまた逢いましょうぞ。 (頼家は行きかかり....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
な」 と坊主は驚いたが、すぐカラカラと笑うと、 「いやそうではあるまい。大方、
愚僧の槍に突かれて、猿沢の池あたりまで吹っ飛んでしまったのであろう。南無阿弥陀仏....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
纈が日本織りとすると、どう解釈したらよかろうな?」 「勝手な空想が許されますなら
愚僧にはこのように考えられまする。この世を怨み憤る者が、どこか深山幽谷に隠れ、唐....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
お暇でござる」僧は微妙な笑い方をし、「是非発足たねばなりませぬ。と申すのは此辺に
愚僧の敵がござるからじゃ。いやいや長袖と申す者は、変に意地くねな者ではござらぬ依....
「不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
の驚いた眼が衝突かった。 「どうだ、和尚さん、持って往ってもいいだろう」 「は、
愚僧はどうでもよろしゅうございますが」と、当惑した顔をした。 「本尊の御薬師様を....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
戸屋の半治ですがちょっと明けておくんなさい」 海「困ったもんだな、何じゃしらんが
愚僧は今寝たがねえ、何うか用があるなら明日来て貰いたいものじゃがねえ」 半「どう....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
。 家来乙 むむ。 (二人走りかかって捕えんとす。) 雨月 なにゆえの狼籍……。
愚僧決して怪しいものではござらぬ。 家来甲 ええ、海にむかって回向するは……。 ....
「西航日録」より 著者:井上円了
敬礼なりという。笑うべきの至りなり。氏は当地にあるラマ寺の住職に余を紹介し、これ
愚僧の師匠なりといいたれば、住職すなわち一盆のチベット菓子を携えて来たり、合掌し....
「ろくろ首」より 著者:小泉八雲
命ぜられた。 囘龍はこの問に対して長く大声で笑った、それから云った、 「皆様、
愚僧が袖に首をつけたのではなく、首の方から来てそこへついたので――
愚僧迷惑至極に....
「切支丹転び」より 著者:田中貢太郎
でございます、もと南蛮寺におりました入留満が、九条の片ほとりに隠れておることを、
愚僧は仔細あってよう存じております、この入留満は、邪法を使う稀代の悪僧で、時なら....