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愚問
「愚問〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愚問の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
ち上って、 「君は、この公園の番人かい?」 私は、聞えない振りをした。あまりの
愚問である。少年は白い歯を出して笑い、 「何も、そんなに怒ること無いじゃないか。....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
ろいろな質問をした。それが、たいていはオランダの異風異俗についての、たわいもない
愚問であることが多かった。カピタンの答によって、それが
愚問であることがわかると、....
「錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
くなってしまうらしい。 心霊問題の研究が必要か否かというような質問はある意味で
愚問だともいえる。必要でないといえば、みんな不必要だし、必要だといえば一つとして....
「散華」より 著者:太宰治
の型があるようだ。二人づれで私のところにやって来ると、ひとりは、もっぱら華やかに
愚問を連発して私にからかわれても恐悦の態で、そうして私の答弁は上の空で聞き流し、....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
部が、少女の射ち殺された頃の事情を一向|弁えぬ専務車掌に、こんなことを聞くのは、
愚問の外のなにものでもないと思われた。 「車内で射ったんでしょうと思います」 ....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
ぐっと突き出して、しばらく考えてから、やおら御質問。 「役者の、使命は、何か!」
愚問なり。おどろいた。あやうく失笑しかけた。まるで、でたらめの質問である。質問者....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
りに四十七銭銀貨を作って流通させたら日本の国の経済にどういう変化が起こるかという
愚問を発してみた。これに対する経済学者の詳細な説明を聞いた時は一応わかったような....
「惜別」より 著者:太宰治
は、どこの国のがいいのですか?」と私は周さんと向き合って炬燵にもぐり、れいの如く
愚問を発した。 「さあ、」と周さんは、その日はひどく快活に、「文芸はその国の反射....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
析と文学的描写との間にどれだけの距たりがあるか、という議論だ。今ではもうこういう
愚問を真面目に提出するものはいる気づかいはあるまいが、そうかと云ってこの疑問に対....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
って、彼に云うわけ?」 「一体、君は、六ちゃんとどうなんだ」 「どうってきくのは
愚問よ」
愚問だと云うのは返答ではない。全く、あいまいな言葉であるが、しかし、....
「佳日」より 著者:太宰治
の講義にだけは努めて出席するようにしていたし、研究室にも二、三度顔を出して突飛な
愚問を呈出して、先生をめんくらわせた事もあって、その後、私の小さい著作集をお送り....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
てこういうふうに信心深い人たちであるから、いまさら私が「音楽は必要か」などという
愚問を提出したら、それはもうわらわれるに決つたようなものだ。 ことに音楽家連中....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
たが鳴きはしなかった。それにひかされて、ついこんな間の抜けた口をきいたが、それが
愚問であるのに、すぐ気が附きはしたものの弁解がましいことはしたくなかった。友人は....
「光は影を」より 著者:岸田国士
て、一切面会をお断りしてあるわけです」 「そういう状態は、当分続くんでしようか、
愚問かも知れませんが……」 若い医者は、さすがに答えに窮したらしく、 「さあ、....
「道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
先日、ある雑誌記者来訪、「ものを美味く食うにはどうすればいいか」とたずねた。 世の中には、ずいぶん無造作に
愚問を発する輩があるものだ。思うにこういうふうなものの聞き方をする連中は、その実....