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愚図愚図
「愚図愚図〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
愚図愚図の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
賢造の姿が隠れると、洋一には外の雨の音が、急に高くなったような心もちがした。
愚図愚図《ぐずぐず》している場合じゃない――そんな事もはっきり感じられた。彼はす....
「白」より 著者:芥川竜之介
利《じゃり》を拾うと、力一ぱい白へ投げつけました。
「畜生《ちくしょう》! まだ
愚図愚図《ぐずぐず》しているな。これでもか? これでもか?」砂利は続けさまに飛ん....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
箆返《しっぺがえ》しに跡釜《あとがま》が出来たから小屋を立退けと逼《せま》った。
愚図愚図していると今までのような煮え切らない事はして置かない、この村の巡査でまに....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
よッぽど谷が深いのでございますから、目が廻《ま》うと悪うござんす。)
(はい。)
愚図愚図《ぐずぐず》してはいられぬから、我身《わがみ》を笑いつけて、まず乗った。....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
理にも進んで行きたがる様な素振りは出来ない。僕は朝飯前は書室を出ない。民子も何か
愚図愚図して支度もせぬ様子。もう嬉しがってと云われるのが口惜しいのである。母は起....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
地上に転倒した。 「……だから、お照さん。云わないこっちゃない。……」 「さあ、
愚図愚図しないで、早く逃げるんだ。刑事や巡査がやってくると面倒だ」 「自動車は向....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ところから怒鳴った。 「出ろ! とはなんだッ」 「もう一度、言ってみろッ!」 「
愚図愚図ぬかすと、のしちまうぞ」 先刻の怪しい一団が、駅長の声を沈黙させてしま....
「赤外線男」より 著者:海野十三
思っても起き上れないのです。先生は直ぐ駈けつけて下さいましたけれど、あたくしが、
愚図愚図しているうちに、頭髪についていた硫酸らしいものが眼の中へ流れこんだのです....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
たことがあったネ。あれは金が寵愛をチェリーに移し始めた頃だったんだ。君江はそれを
愚図愚図云ったものだから、金は怒って、それじゃお前には今までのように薬をやらない....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
のだから、まだその附近に、恐ろしい吸血鬼がひそんでいるかも知れない。 「よオし。
愚図愚図していないで、その吸血鬼を捉えてやらねばならん」 西一郎は咄嗟に決心を....
「地中魔」より 著者:海野十三
浦へ着くのか、それとも横浜に着いて東京へ入るのか」 課長は大いに迷った。しかし
愚図愚図することは許されない。係員を半分にわけ、一隊は芝浦港へ、一隊は横浜港へ。....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
、恵の杖、情の鞭だ。実際その罪を罰しようとするには、そのまま無事に置いて、平凡に
愚図愚図に生存らえさせて、皺だらけの婆にして、その娘を終らせるが可いと、私は思う....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ら遣わされた汝の指導者である、と申しきかされた。その時俺ははっとして、これは最う
愚図愚図していられないと思った。それから何年になるか知れぬが、今では少し幽界の修....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
い下宿屋には万年博士の姿が余り見えなかった。何かにつけて緑雨は万年博士を罵って、
愚図愚図いやア万年泣拝という手紙を何本も発表してやると力んでいた。その代りに当時....
「昔尊く」より 著者:上村松園
私の家にも燃えうつってる様です。そうした有様なので何も取り出す暇がございません。
愚図愚図して傷でもしたら大変と、母は手をとって促すのでしたが、私はただ呆然と焼け....